こんなことで、不安になっていませんか?

  • 面談で「ほかの部署の仕事に興味はある?」と聞かれた
  • 担当の仕事の手順を、誰でもわかるようにまとめてと頼まれた
  • 期待されているのか、今の部署にいてほしくないのかわからない
  • 上司の一言一言の意味を、つい考え込んでしまう

上司のそんな言葉が続くと、「もしかして、異動させたいのかな」と落ち着かなくなりますよね。はっきり聞けないまま、ふだんの言葉の中にサインを探してしまう人も多いでしょう。

結論

上司が部下の異動を考える理由には、あなたの成長を願う前向きなものも少なくありません。人手の足りない部署に頼れる人を出したい、新しい経験を積ませたいなど、評価の良し悪しとは別の事情で話が進むこともよくあります。

前向きな異動かどうかは、上司が理由を具体的に話してくれるか、あなたの希望を聞こうとしているかで見分けられます。

この記事でわかること

  • 上司が異動を考えているときに出やすい5つのサイン
  • 異動させたいと思う上司の4つの本音
  • 前向きな異動と、心配な異動の見分け方
  • 打診されたときの返し方と、上司の本音の聞き方
  • 残りたいとき・異動してもいいときの希望の伝え方
この記事の目次閉じる開く
  1. 上司が異動を考えているときの5つのサイン
    1. 1. 他部署の仕事や、これからやりたいことを聞かれる
    2. 2. 担当業務の引き継ぎや、手順書づくりを頼まれる
    3. 3. 面談で、キャリアや将来の話が増える
    4. 4. 他部署との仕事や、違う分野の研修に出される
    5. 5. 新しい仕事を任されなくなる
  2. 上司があなたを異動させたいと考える4つの本音
    1. 1. 別の経験を積ませて、成長してほしい
    2. 2. 人手の足りない部署に、任せられる人を出したい
    3. 3. 今のチームとの相性を考えて、環境を変えたい
    4. 4. 今の部署での評価が伸び悩んでいる
  3. 前向きな異動と、心配な異動の見分け方
    1. どちらか判断がつかないときは、理由を聞いてみる
    2. 退職をうながすような異動には、ひとりで悩まない
  4. 打診されたときの返し方と、上司の本音の聞き方
    1. その場で即答せず、理由と役割をたずねる
    2. うわさだけが聞こえてきたら、キャリアの相談として切り出す
  5. 希望の伝え方(例文つき)
    1. 今の部署に残りたいとき
    2. 異動してもいいと思えるとき
    3. 家庭の事情や、通勤の条件があるとき
    4. ふだんから、希望を小出しに伝えておく
  6. 異動の話が出たときに避けたいこと
  7. それでも上司の本音がわからないときは
  8. よくある質問
  9. まとめ

上司が異動を考えているときの5つのサイン

異動の話は、正式に伝えられる前から、上司の言葉や仕事の振り方に少しずつ表れることがあります。よくあるサインを見てみましょう。

机に並んでノートを見ながら話す二人
引き継ぎや仕事の任され方に、サインが表れることも

1. 他部署の仕事や、これからやりたいことを聞かれる

「〇〇部の仕事って、どう思う?」「この先、どんな仕事をしてみたい?」と、今の担当とは別の話題を振られることが増えたら、上司があなたの次の配置を考え始めているのかもしれません。

異動の候補を会社に挙げる前に、本人の意向をそれとなく確かめておきたいのです。このときのあなたの答えが、そのまま上司の判断材料になることもあります。

2. 担当業務の引き継ぎや、手順書づくりを頼まれる

「この仕事、ほかの人でもできるようにまとめておいて」と頼まれた場合、あなたが抜けたあとのことを上司が考えている可能性があります。

ただし、手順書づくりは、急な休みや欠員に備えた仕事の整理として頼まれることもあります。これだけで異動と決めつけず、ほかのサインと合わせて見ていきましょう。

3. 面談で、キャリアや将来の話が増える

評価面談のとき、今の仕事の振り返りより、「三年後はどうなっていたい?」といった将来の話が中心になるのもサインの一つです。上司は、あなたの希望と会社の配置の考えを、すり合わせようとしているのかもしれません。

面談で上司が口にする言葉の裏側については、面談で上司が言う言葉の本音で詳しく紹介しています。

4. 他部署との仕事や、違う分野の研修に出される

ほかの部署と一緒に進める仕事を任されたり、これまでと違う分野の研修をすすめられたりするのは、新しい環境に慣れさせる準備であることもあります。異動先の候補になっている部署の人たちに、あなたを知ってもらう意味もあるのです。

たとえば、これまで縁のなかった部署の会議に「勉強になるから」と同席を頼まれるようになったら、このサインかもしれません。そこで出会った人たちが、のちの異動先の同僚になることもあります。

5. 新しい仕事を任されなくなる

反対に、新しい案件の担当から外れる、長く続く仕事を任されなくなるといった変化もあります。異動が近いため、途中で手を離すことになる仕事を避けている場合です。

ただ、仕事を任されない理由は異動だけではありません。上司が仕事を振らない本音については、仕事を任せてくれない上司の本音もあわせて読んでみてください。

上司があなたを異動させたいと考える4つの本音

異動を考える理由は、あなたへの評価だけではありません。上司の頭の中にある本音を、4つに分けて見ていきましょう。

1. 別の経験を積ませて、成長してほしい

今の部署で仕事を一通り覚えたあなたに、もっと幅広い経験をしてほしいと考える上司もいます。同じ仕事を続けるより、違う部署で視野を広げたほうが、将来の役に立つと考えているのです。

この場合、上司は頼れる部下が手元から離れることを惜しみながらも、あなたのために送り出そうとしていることが多いです。ふだんの指導が厳しかったのも、どこへ行っても通用する力をつけてほしかったからかもしれません。期待のサインについては上司に期待されているサインも参考になります。

2. 人手の足りない部署に、任せられる人を出したい

会社では、部署ごとの忙しさに合わせて人の配置を見直すことがあります。「誰か一人出してほしい」と求められたとき、上司は異動先でも仕事をこなせそうな人を選ぼうとします。

任せられると思われているからこそ、名前が挙がることも多いのです。あなたが選ばれたのは、今の部署で不要だからではなく、どこへ行っても仕事ができると見込まれているからかもしれません。

3. 今のチームとの相性を考えて、環境を変えたい

あなたとチームの誰かとの相性がよくないと上司が感じている場合、環境を変えたほうが力を出せるのではと考えることもあります。

相性を理由にした異動は、あなたを責めるためのものとは限りません。人間関係のせいで力を出し切れていないなら、新しい場所で評価ががらりと変わることも十分にあります。

4. 今の部署での評価が伸び悩んでいる

仕事の成果がなかなか上がらない、ミスが続いているといった理由で、上司が「今の部署では力を発揮しにくいのでは」と考える場合もあります。

このときは、ふだんの指導が減っていたり、注意されなくなっていたりすることがあります。叱られなくなった変化が気になる人は、上司が怒らなくなったときの記事で、見放されたサインとの見分け方を紹介しています。

ただ、評価が伸び悩んでいる場合でも、仕事の中身が変われば力を発揮できることはよくあります。異動は、仕切り直しのきっかけにもなるのです。

異動は上司ひとりで決まるとは限りません

多くの会社では、異動は上司の希望だけでなく、会社全体の人の配置や方針をふまえて決まります。上司自身の異動や部署の組み替えが近く、先に部下の行き先を考えている場合もあります。上司の気持ちだけで結果を読み取ろうとしないことも大切です。

シンパンくんからあなたへ

異動の話が出ると、「何かしたかな」って不安になるよね。でも、期待されて声がかかることも多いんだ。

前向きな異動と、心配な異動の見分け方

同じ異動の話でも、あなたにとって前向きなものか、気をつけたほうがよいものかで、受け止め方は変わります。上司の伝え方や最近の仕事の様子から、次のポイントで見分けてみましょう。

比べるポイント前向きな異動心配な異動
理由の説明具体的に話してくれるあいまいではっきりしない
異動先の仕事今の経験が生かせるつながりが見えない
伝えられ方希望を聞いてくれる決まったこととして告げられる
最近の仕事難しい仕事が増えていた担当が減っていた
上司の言葉「向こうでも頼むよ」と送り出す目を合わせず話が短い

左の列が多いなら、上司はあなたに期待して送り出そうとしている可能性が高いでしょう。異動先での役割を聞いて、前向きに準備を進めていきましょう。

右の列が多い場合も、すぐに悲観することはありません。新しい部署で一からやり直せる、合わない人間関係から離れられるといった、よい面があることもあります。

今の部署では目立たなかった力が、仕事の中身が変わったとたんに生きてくることもあります。異動のいきさつより、異動先で何をするかのほうが、これからのあなたの評価を左右します。

どちらか判断がつかないときは、理由を聞いてみる

表のどちらとも言えないときは、上司に直接たずねるのがいちばん確かです。「なぜ自分なのか」「異動先でどんな役割を期待されているか」を聞けば、上司の本音はかなり見えてきます。具体的な聞き方は、次の章で紹介します。

退職をうながすような異動には、ひとりで悩まない

なかには、退職に追い込むような異動が疑われる場合もあります。仕事をほとんど与えられない部署に移される、ハラスメントを相談した直後に不自然な異動を言い渡される、といった場合です。

そうしたときは、会社の人事部や社内の相談窓口、都道府県労働局などにある総合労働相談コーナーで、状況を聞いてもらうことができます。言われたことやそれまでの経緯を、メモにまとめておきましょう。

無料の本音診断(10問)職場の人間関係チェック

打診されたときの返し方と、上司の本音の聞き方

異動のことを上司に聞くのは勇気がいりますが、聞き方を工夫すれば、角を立てずに本音を知ることができます。

二人だと話を聞いてくれる
二人で話せる時間に、落ち着いてたずねてみましょう

その場で即答せず、理由と役割をたずねる

異動の打診を受けたら、その場で「行きます」「行きたくありません」と答えなくて大丈夫です。まずはお礼を伝えて、考える時間をもらいましょう。

打診を受けたときの返し方
相手

来期から〇〇部に行ってもらう話が出ているんだけど、どうかな。

あなた

お話しいただきありがとうございます。少し考える時間をいただいてもいいですか。あわせて、向こうでどんな役割を期待されているのか、教えていただけると助かります。

「どんな役割を期待されているか」をたずねると、上司は異動の理由を具体的に話しやすくなります。その答えの中に、あなたへの評価や期待が表れることも多いのです。

うわさだけが聞こえてきたら、キャリアの相談として切り出す

まだ打診はないのに、異動のうわさだけが耳に入ってくることもあります。そんなときは、「私、異動するんですか?」と直接聞くより、これからの働き方の相談として話を持ちかけるほうが自然です。

キャリアの相談として切り出す例
あなた

今後のことで、少しご相談してもいいですか。この部署で、次にどんな力を身につけてほしいと思われているか、うかがいたくて。

相手

そうだね、そろそろ別の経験もしてほしいと思っていたんだ。

上司が異動を考えているなら、この流れで話してくれることがあります。反対に、今の部署での期待をあれこれ話してくれたなら、すぐに異動させるつもりはないのかもしれません。

希望の伝え方(例文つき)

異動について、自分の希望を伝えるのはわがままではありません。打診の段階で希望を伝えておくほうが、決まったあとで悩むより、ずっと話がしやすくなります。

今の部署に残りたいとき

残りたい気持ちを伝えるときは、「行きたくない」だけで終わらせず、今の部署でやりたいことをあわせて話しましょう。

残りたいときの伝え方の例
あなた

今の部署で、〇〇の仕事をもう少し深めたいと考えています。来年は後輩の指導にも関わってみたいので、もうしばらくこちらで頑張らせていただけないでしょうか。

前向きな理由があると、上司も会社に説明しやすくなります。それでも異動が決まった場合は、今の部署での経験を異動先でどう生かすかを考えていきましょう。

異動してもいいと思えるとき

新しい環境に興味があるなら、その気持ちを素直に伝えてかまいません。行ってみたい部署や、身につけたい力があれば、あわせて話しておきましょう。

  • 「〇〇の仕事に関われる部署なら、ぜひ挑戦してみたいです」
  • 「今の経験が生かせるところで、もう一段成長したいと思っています」
  • 「引き継ぎはしっかり進めますので、時期の目安を教えていただけますか」

家庭の事情や、通勤の条件があるとき

介護や子育て、通院などで、勤務地や勤務時間に配慮してほしいことがあるなら、早めに伝えておくことが大切です。言いにくいかもしれませんが、伝えなければ考慮してもらうこともできません。

「家族の介護があり、通勤時間が長くなると難しい状況です」と、事情と困ることを短く伝えれば十分です。家庭の細かいことまで話す必要はありません。

ふだんから、希望を小出しに伝えておく

異動の話は、ある日突然やってくるように感じるものです。けれど、上司はそれより前から、部下の得意なことや希望を少しずつ心にとめています。

面談や雑談の中で、「〇〇の仕事は面白いと感じています」「いずれは△△にも関わってみたいです」と、やりたいことを折にふれて話しておきましょう。上司が配置を考えるときに、あなたの希望を思い出してもらいやすくなります。

対等に話し合う
希望は、決まる前に落ち着いて伝えておくことが大切です

異動の話が出たときに避けたいこと

立場を悪くしやすい行動

  • 人事部や他部署の知り合いに、自分の異動のことを探りに行く
  • 同僚に「飛ばされるのかも」と話して、うわさを広げる
  • 打診されたその場で、感情的に断る
  • 「どうせ異動するから」と、今の仕事の手を抜く
  • 上司に「私が邪魔なんですか」と詰め寄る

異動の話が出ると落ち着かなくなりますが、正式に決まるまでは、今の仕事をこれまでどおり丁寧に続けることが大切です。最後まで手を抜かない姿は、上司だけでなく異動先の人たちにも伝わります。

不安な気持ちを同僚に話すと、思わぬ形でうわさになることがあります。正式に決まるまでは、職場の中では話題にしないほうが安心です。

それでも上司の本音がわからないときは

上司に聞いてみても、はっきりした答えが返ってこない。異動を受け入れるべきか、残りたいと伝えるべきか、ひとりで考えても決めきれない。

答えの出ない迷いは、職場の外にいる人に聞いてもらうと、思わぬところから整理がつくことがあります。

よくある質問

異動の打診は、断ってもいいのでしょうか?

打診の段階なら、希望や事情を伝えることはできます。ただ、会社の規則や方針によっては、正式に決まった異動を断るのは難しいことが多いものです。迷いがあるなら、打診の段階で早めに伝えておきましょう。

異動させられるのは、評価が低いからですか?

そうとは限りません。人手の足りない部署に頼れる人を出したい、別の経験を積ませたいといった前向きな理由も多くあります。上司が理由を具体的に話してくれるかどうかで、ある程度見分けられます。

上司と合わないので、自分から異動したいです。

「上司と合わない」と伝えるより、「〇〇の仕事に挑戦したい」と前向きな理由で希望を出すほうが通りやすくなります。会社に異動の希望を出す仕組みがあれば、それを使うのも一つの方法です。

異動したくないと言ったら、評価が下がりませんか?

理由を添えて丁寧に伝えれば、それだけで評価が大きく下がることは少ないでしょう。大切なのは、今の部署でどう役に立ちたいかをあわせて伝えることです。

異動が決まったら、上司にどんな言葉をかければいいですか?

まずはこれまでの指導へのお礼を伝え、引き継ぎの進め方を相談しましょう。「教えていただいたことを、向こうでも生かしたいと思います」と添えると、送り出す上司も安心します。

まとめ

  • 他部署の話や引き継ぎの依頼、将来の話が増えるのは、異動を考えているサインのことがある
  • 本音は、成長のため・人手の配置・相性・評価の4つが多い
  • 理由を具体的に話し、希望を聞いてくれるなら前向きな異動の可能性が高い
  • 打診されたら即答せず、異動先での役割をたずねる
  • 希望や事情は、決まる前に理由を添えて伝える

異動の話が出たとたん、先のことが見えなくなるように感じるのは、無理もありません。どちらに進むとしても、あなたがこれまで積み重ねてきた経験は消えません。

シンパンくんからあなたへ

異動は、終わりじゃなくて新しい始まりになることも多いよ。自分の希望を、ちゃんと言葉にしてみようね。