
こんなことが、胸に引っかかりませんか?
- 「その資料なら、私は半日で仕上げたけどね」と言われる
- 「えっ、まだその仕事やってるの?」が頭から離れない
- その場では笑って流せても、帰り道に悔しくなる
- 「自分はだめなのかな」と落ち込んでしまう
マウントを取るとは、会話の中で「自分のほうが上だ」と示そうとすることです。毎日顔を合わせる同僚だからこそ、張り合いが積み重なると職場に向かう足が重くなり、相手の心理も気になってしまいますよね。
結論
マウントを取ってくる人は、あなたを見下したいとは限りません。自分の自信のなさや焦りを打ち消したいのかもしれません。
相手の土俵に乗らず、短く受け止めて自分の仕事に戻る。それがいちばん疲れない付き合い方です。
この記事でわかること
- 同僚がマウントを取ってくる、よくある5つの本音
- ただの自慢話と、張り合ってくるマウントの見分け方
- 張り合う同僚にやってはいけない反応
- 仕事・学歴・家庭など、マウントの種類別の受け流し方の例
- 相手にしすぎないための考え方と、上司に相談したほうがいい場合
この記事の目次閉じる開く
同僚がマウントを取ってくる本音
同僚のマウントには、言葉の裏に隠れた気持ちがあります。よくある5つの本音を、職場の場面とあわせて見ていきましょう。

自信のなさを打ち消したい
意外に思えるかもしれませんが、マウントを取る人の中には、自分に自信が持てない人が少なくありません。自分のほうが上だと口にすることで、不安な気持ちを落ち着かせているのです。
たとえば、あなたが会議でほめられた直後に、「私も前に似たような案を出したことがあって」と話をかぶせてくる。あなたに負けたように感じて、急いで自分の価値を示そうとしている場面かもしれません。
本当に自信がある人は、人と比べなくても平気なものです。張り合ってくるのは、相手の心に余裕がないサインだと考えてみてください。
評価や昇進への焦り
職場では、仕事ぶりが評価や給与、昇進に結びつきます。評価の時期が近づくと、自分の成果を周りに印象づけたくて、張り合うような言い方が増える人もいます。
「今月は私の担当だけで目標を超えたんだよね」「部長に直接呼ばれて相談されちゃって」。上の人とのつながりや数字の話が多いなら、焦りが出ているのかもしれません。
比べられやすい環境にいる
同じ時期に入った同期や、同じ仕事をしている同僚どうしは、周りから比べられがちです。成績が一覧で貼り出される、上司が「〇〇さんを見習って」と口にする職場では、張り合う気持ちが生まれやすくなります。
この場合、相手もまた比べられることに疲れているのかもしれません。マウントは、あなた個人への攻撃というより、比べられる環境への反応ととらえると、少し冷静になれます。
同期との間に差がついて気まずいときの向き合い方は、同期と気まずくなったときの記事も参考にしてください。
認めてほしい、ほめてほしい
家庭や職場で認められていないと感じている人は、話を聞いてくれる相手に、つい自慢を重ねてしまうことがあります。マウントの奥に、「すごいね」と言ってほしい気持ちが隠れているのです。
あなたが聞き上手で、いつも感じよく反応してくれる人ほど、この種のマウントの聞き役に選ばれやすくなります。
悪気がなく、口ぐせになっている
なかには、自分がマウントを取っていると気づいていない人もいます。成果をはっきり言うのが当たり前の環境にいた人は、ふつうに話しているつもりなのです。
誰に対しても同じ話し方をしているなら、このパターンの可能性があります。あなたを狙っているわけではないので、深く受け止めすぎなくて大丈夫です。

シンパンくんから
マウントを取られると、下に見られたみたいで悔しいよね。でも、張り合ってくる人は、心の中では焦っていることもあるんだ。
ただの自慢話?マウント?見分け方
自分の話をする人がみんな、マウントを取っているわけではありません。うれしいことを共有したいだけの人もいます。次の表で、相手の話し方を見くらべてみましょう。
| 見るところ | ただの共有・自慢 | 張り合うマウント |
|---|---|---|
| 話し始め | 自分から楽しそうに話す | あなたの話のあとにかぶせる |
| あなたの話 | 「あなたは?」と聞き返す | 小さく扱って流す |
| 比べる言葉 | ほとんど出ない | 「私なら」「まだ〜なの?」 |
| 話したあと | 満足して話題が変わる | あなたの反応をうかがう |

マウントを取られているかもしれないサイン
当てはまるものはありますか
- あなたが話すと、決まって相手の話にすり替わる
- 「〜なのに」「まだ〜なの?」と、あなたを下げる言い方が多い
- 人前でだけ、あなたより上だとわかる話をする
- あなたが成果を出したあとに、自慢話が増える
- 話し終えたあと、なぜか自分がみじめな気持ちになる
当てはまるものが多いほど、相手はあなたを意識して張り合っている可能性があります。一方で、誰にでも同じ調子なら、口ぐせのことも多いでしょう。
マウントとアドバイスのちがい
アドバイスは、あなたが困らないように、具体的なやり方を教えてくれるものです。マウントは、話し終えたときに相手が上に立っているだけで、役に立つ中身はほとんど残りません。あなたの手元に使える情報が残ったかどうかで、見分けてみてください。
相手との関係をいくつかの質問でふり返りたいときは、職場の本音診断も役に立ちます。
マウントを取ってくる同僚にやってはいけない反応
悔しさや疲れから、つい反応してしまいがちですが、次の対応は張り合いを長引かせてしまいます。
やってはいけないこと
- 同じようにマウントを取り返して、張り合う
- 「それ、自慢ですか?」と人前で指摘する
- 機嫌をとるために、毎回大げさにほめ続ける
- 「私なんて全然です」と、自分を下げる返事を続ける
- ほかの同僚に、相手の悪口として広める
取り返すと、相手はさらに上の話を出してきて、張り合いが終わらなくなります。かといって、毎回大げさにほめていると、「この人には何を言っても大丈夫」と思われ、マウントが増えてしまいます。
自分を下げる返事も、続けるうちに本当に自信を失ってしまうので気をつけましょう。ほめすぎず、自分を下げず、淡々と受け流す。これがいちばん長続きする対応です。
ほかの同僚に愚痴をこぼしたくなるのは自然なことですが、陰で話したことは思いがけず本人に届くものです。職場の陰口がどう広がり、どう向き合えばいいかは、職場の陰口についての記事でくわしく紹介しています。
マウントの種類別・疲れない受け流し方
ここからは、職場でよくあるマウントを種類ごとに分けて、受け流し方の例を紹介します。基本は「短く認める」「深く質問しない」「話題を仕事に戻す」の3つです。
仕事の成果・忙しさのマウント
「私なんて毎日終電だよ」「この案件、ほぼ私ひとりで回してる」など、忙しさや成果を強調するマウントです。忙しさ比べは、張り合うときりがありません。
- 「大変ですね。おつかれさまです」
- 「それはすごいですね。では、この件は私のほうで進めておきます」
ねぎらいのひと言で受け止めて、すぐに仕事の話へ戻しましょう。忙しさの話に質問を重ねると、自慢話が長くなってしまいます。
忙しさを強調したあとで、「だから、これお願いできる?」と自分の仕事を回してくる同僚もいます。角を立てずに断る言い方を知りたいときは、仕事を押し付けてくる同僚の本音を開いてみてください。
学歴・資格・経歴のマウント
「うちの大学では普通だったけど」「その資格、私は学生のころに取ったよ」など、学歴や資格、前の職場の話で上に立とうとするマウントです。
- 「そうなんですね。くわしい人がいると心強いです」
- 「さすがですね。わからないところがあったら聞かせてください」
経歴は、今から変えられない話です。比べるのではなく「くわしい人」として頼る形にすると、相手も満足して、それ以上張り合ってこなくなることがあります。
家庭・暮らし・持ち物のマウント
「うちの子、また学年で一番でさ」「この時計、自分へのご褒美に買ったの」など、家族や暮らしぶり、持ち物で張り合うマウントです。仕事と関係ないぶん、聞いていてつらくなることもあります。
- 「よかったですね」
- 「すてきですね」
家庭の話は、深く聞くほど比べる材料が増えていきます。短く返して、相手の話がひと区切りついたところで、自分の仕事に戻りましょう。
職場ではなく、友達とのあいだの張り合いに悩んでいるなら、友達がマウントを取ってくるときの記事も読んでみてください。
「私なんて」に見せかけた遠回しのマウント
「私は〇〇さんみたいに、のんびり仕事できないから」「いいなあ、残業のない部署で」。へりくだって見せながら、あなたを下げる遠回しのマウントもあります。
いいなあ、〇〇さんは定時で帰れて。私なんて今日も残業だよ。
今日も遅くまでですか。おつかれさまです。
まあね。誰かがやらないといけないし。
手伝えることがあったら言ってくださいね。では、お先に失礼します。
嫌みを真に受けて言いわけを重ねると、話が長引くだけです。ねぎらいの言葉を返して、自分のペースは変えない。それだけで、相手の言葉の力は弱まっていきます。
知識や経験を見せつけるマウント
「え、そんなことも知らないの?」「それ、前にも教えたよね」と、人前で知識や経験の差を見せつけるマウントもあります。教えるふりをしながら、周りに「自分のほうがわかっている」と示したい気持ちが隠れていることがあります。
- 「教えていただいてありがとうございます。確認しておきます」
- 「助かります。あとで手順を見直しておきますね」
知らなかったことは素直に受け取り、お礼のひと言で区切るのがいちばんです。言い方が気になっても、教わった中身に助けられる部分があるなら、そこだけ受け取っておけば十分です。
同期からのマウント
同期は、同じ場所からスタートしたぶん、差を意識しやすい相手です。「もう〇〇の担当になったんだ」「昇格の話、聞いてる?」など、立場や評価の話で張り合ってくることがあります。
- 「おめでとう。がんばってたもんね」
- 「そうなんだ。私は今の仕事をしっかり固めたいと思ってるよ」
相手の結果は素直に認めつつ、自分には自分のペースがあることを短く伝えると、比べ合いから一歩引けます。

相手にしすぎないための考え方
受け流し方がわかっても、言われた言葉が頭から離れない日もあるでしょう。ここでは、相手の言葉を引きずらずにすむ考え方をお伝えします。
勝ち負けの話にしない
マウントは、相手がひとりで始めた「比べ合い」です。あなたがその比べ合いに参加しなければ、勝ち負けはそもそも生まれません。
「この人は今、自分を大きく見せたいんだな」と、少し離れたところから眺めるつもりで聞いてみてください。言葉の受け止め方が、ずいぶん変わります。
自分の物差しを持つ
相手の自慢が気になるのは、知らないうちに、相手の物差しで自分を測ってしまうからです。
「今日はミスなく締め切りを守れた」「お客さんにお礼を言われた」など、自分なりにできたことを、1日の終わりにひとつ書き出してみましょう。自分の物差しで自分を見られるようになると、人の自慢が気になりにくくなります。
言われた日は、寝る前に気持ちを区切る
言われた言葉を何度も思い出してしまう夜は、ノートの端に、言われたことと自分の気持ちをそのまま書いてみましょう。書き終えたら閉じて、「今日はここまで」と区切ります。
頭の中で同じ場面をくり返すより、いったん外に出したほうが、気持ちは早く落ち着きます。好きな音楽を聞く、温かいものを飲むなど、自分をいたわる時間もつくってくださいね。
関わる時間を少しずつ減らす
どうしても疲れる相手なら、関わる時間そのものを減らすのも一つの方法です。休憩に入る時間を少しずらす、雑談が始まったら「そろそろ仕事に戻りますね」と区切るなど、さりげなく距離をとりましょう。
仕事に必要な会話さえ気持ちよく交わせていれば、同僚としての役目は果たせています。仲良くすることより、自分の心を守ることを優先してかまいません。

シンパンくんから
全部まともに受け止めなくて大丈夫。「そうなんですね」で流して、自分の仕事に戻る。それだけで、心はずいぶん軽くなるよ。
仕事に支障が出るときは上司に相談を
マウントが自慢話の範囲をこえて、仕事に影響が出ているなら、ひとりで抱えずに上司に相談しましょう。たとえば、次のような場合です。
- あなたの成果を、自分の手柄のように報告される
- 人前で、くり返しばかにされたり、笑いものにされたりする
- 仕事に必要な情報を、わざと教えてもらえない
上司に話すときは、「〇〇さんのマウントがつらい」という言い方は避けましょう。「先週の会議で、私が作った資料を〇〇さんの成果として説明されました」のように、起きたことをそのまま伝えます。日付と出来事をメモしておくと、話がぶれません。
人前でばかにされる、仲間外れにされるといったことが続くなら、職場のいじめやハラスメントにあたる可能性もあります。まずは社内のハラスメント相談窓口や人事に相談しましょう。社内では話しにくいときは、各都道府県労働局にある総合労働相談コーナーを頼る方法もあります。
それでも同僚のマウントに疲れてしまうときは
受け流し方を工夫しても、毎日のように張り合われると、少しずつ心がすり減ってしまうこともあります。相手を変えることはできないからこそ、自分の気持ちを整理する場所が大切です。

同じ職場の人に打ち明けると、うわさになったり、相手の耳に入ったりしないか心配で、本音を言いにくいものです。職場の外にいる人に話してみると、「気にしなくていいんだ」と思えるきっかけになることもあります。
よくある質問
マウントを取ってくる同僚は、私のことが嫌いなのですか?
嫌いだからとは限りません。あなたを意識しているか、自分の自信のなさを打ち消したいのかもしれません。誰に対しても同じ話し方なら、口ぐせの可能性もあります。
マウントを取られたら、言い返したほうがいいですか?
言い返すと張り合いが長引くので、おすすめしません。「そうなんですね」「おつかれさまです」と短く受け止め、話題を仕事に戻すのが、いちばん疲れない方法です。
自分もマウントを取っていないか心配です。
そう気になるのは、相手への気づかいができている証拠です。人の話のあとに自分の話をかぶせていないか、「私なら」と比べる言い方が多くないかを、ときどき見直してみましょう。
マウントを取ってくる同僚とは、仲良くしたほうがいいですか?
仲良くなる必要はありません。仕事に必要な連絡を気持ちよく交わせていれば、それで十分です。苦手だと感じる自分を責めないでくださいね。
前は普通だった同僚が、急に張り合ってくるようになりました。
あなたが評価された、担当が変わったなど、何かのきっかけで相手の焦りが強くなった可能性があります。態度の変化そのものについては、同僚の態度が急に変わったときの記事も参考にしてください。
まとめ
同僚のマウントは、毎日続くとじわじわ効いてくるものです。最後に、この記事のポイントをふり返りましょう。
- マウントの本音は、自信のなさ、評価への焦り、比べられる環境、認めてほしい気持ち、口ぐせなど
- あなたの話にかぶせる、比べる言葉が多いなら、張り合うマウントの可能性が高い
- 取り返す、人前で指摘する、大げさにほめ続ける、自分を下げるのは逆効果
- 種類にかかわらず、短く認めて、深く質問せず、仕事の話に戻す
- 勝ち負けの話にせず、自分の物差しを持つと振り回されにくい
- 手柄を取られる、人前でばかにされるなど仕事に支障が出るときは相談する
マウントは相手の心の問題であって、あなたの価値を決めるものではありません。今日から少しだけ肩の力を抜いて、さらりと受け流してみてくださいね。




