
こんなこと、ありませんか?
- 「ごめん、これお願いできる?」と、机に書類を置かれる
- 頼まれるたびに、そっとため息をついている
- 自分の仕事より、頼まれた仕事のほうが多い
- 「なぜ自分ばかり」と思う日が続いている
仕事を押し付けてくる同僚がいても、つい断れないのは、あなたがやさしく、責任感が強いからです。けれど、引き受け続けるうちに残業が増え、心も体も疲れきってしまっては、元も子もありません。
結論
押し付けてくる同僚が、あなたを困らせたいとは限りません。「この人なら断らない」と思っているだけかもしれません。
断り方を少し変えるだけで、頼まれる量は減らしていけます。
この記事でわかること
- 仕事を押し付けてくる同僚の、よくある6つの本音
- なぜ自分ばかり?頼まれやすい人の特徴
- 「頼りにされている」と「押し付けられている」の見分け方
- 角を立てずに断る言い方と、丸投げされたときの返し方の例
- 減らないときの、上司への相談の仕方
この記事の目次閉じる開く
仕事を押し付けてくる同僚の本音
同僚が仕事を回してくる理由は、ひとつではありません。よくある6つの本音を見ていきましょう。

「この人なら断らない」と思っている
よくあるのが、これまで何度も引き受けてくれたことから、「頼めばやってくれる人」と思われているケースです。相手に悪気はないことが多く、頼む先として、あなたの顔が真っ先に浮かぶようになっているのです。
一度でも快く引き受けると、次からも同じように頼まれやすくなります。頼む側にとっては、断られる心配のない相手が、いちばん声をかけやすいからです。
自分の負担を減らしたい
自分の仕事で手いっぱいで、少しでも減らしたいと考えている人もいます。忙しさで余裕がなくなると、「手が空いていそうな人」に仕事を回したくなるものです。
なかには、評価されやすい仕事は自分で抱え、手間のかかる作業だけを回してくる人もいます。あなたと張り合う気持ちが隠れていることもあります。そうした相手とのほどよい距離の取り方は、マウントを取ってくる同僚についての記事が参考になります。
あなたを頼りにしている
あなたの仕事が丁寧で、任せれば安心だと思われている場合もあります。「〇〇さんがやると早いから」「〇〇さんの資料は見やすいから」と言われるなら、信頼されている証拠でもあります。
ただ、頼りにされることと、何でも引き受けることは別の話です。信頼してくれている相手ほど、事情を話せばわかってくれるものです。
頼んでいる自覚が薄い
「ちょっとだけ」「ついでに」と軽い気持ちで頼んでいて、あなたにとってどれだけの負担になっているか、想像できていない人もいます。
たとえば、朝はひとりから資料のコピー、昼前には別の人から電話の折り返し、午後にはまた別の人から数字の確認。一つひとつは数分の作業でも、重なると半日がつぶれてしまいます。
相手はそれぞれ「一回くらい」のつもりなので、あなたが言葉にするまで、全体の重さに気づかないのです。
職場に慣れておらず、頼れる人がほかにいない
異動してきたばかりの人や、新しく入ったばかりの人は、誰に頼めばいいのかわからず、話しやすいあなたにばかり声をかけてしまうことがあります。
この場合は、断るよりも「この作業なら〇〇さんがくわしいですよ」と、ほかに頼れる人を教えてあげると、お互いに楽になります。
職場の仕事の分け方があいまいになっている
担当が決まっていない仕事は、気づいた人や断らない人のところへ流れていきがちです。電話の取り次ぎ、備品の補充、会議の準備などが、いつのまにかあなたの仕事になっていませんか。
この場合、問題は同僚一人ひとりではなく、仕事の分け方の仕組みにあります。上司に相談して担当を決めてもらうと、ぐっと解決しやすくなります。

シンパンくんから
頼まれると「断ったら悪いかな」って思っちゃうよね。でも、頼む側は意外と軽い気持ちで声をかけていることも多いんだ。
なぜ自分ばかり?頼まれやすい人の特徴と見分け方
同じ職場でも、頼まれやすい人とそうでない人がいます。自分に当てはまるところがないか、確かめてみましょう。

頼まれやすい人によくある特徴
頼まれやすい人によくある特徴
- 頼まれると、内容を聞く前に「いいですよ」と答えてしまう
- 忙しくても、顔や態度に出さない
- 頼まれた仕事を、期限より早く仕上げる
- 自分が今どれだけ仕事を抱えているか、周りに話していない
- 一度断ると、関係が悪くなるのではと不安になる
当てはまるものが多いほど、周りからは「余裕がある人」「頼みやすい人」に見えています。あなたが忙しいことは、言葉にしなければ周りに伝わりません。
どれも、あなたの長所でもあります。直すべき欠点ではなく、忙しさの見せ方を少し変えればいいだけです。職場だけでなく、友達からも頼みごとばかりされると感じるなら、都合のいい友達についての記事も読んでみてください。
「頼りにされている」と「押し付けられている」の見分け方
頼まれごとが多くても、すべてが押し付けとは限りません。次の表で、頼まれ方を見くらべてみましょう。
| 見るところ | 頼りにされている | 押し付けられている |
|---|---|---|
| 頼み方 | 事情を説明して頼む | 「これお願い」だけ |
| 頼む仕事 | あなたの得意な仕事 | 面倒な作業ばかり |
| 終わったあと | お礼や報告がある | 何も言われない |
| 断ったとき | 「わかった」と引く | 不機嫌になる、しつこい |
右の列に当てはまることが多いなら、相手はあなたの好意に甘えすぎています。少しずつ断ることを覚えても、あなたが悪者になるわけではありません。
職場での自分の立ち位置を、頼まれごとの多さとは別の面からも見直したいときは、本音診断で今の状態を整理してみるのもおすすめです。
仕事を押し付けられたときにやってはいけないこと
頼まれごとが重なると、気持ちの余裕がなくなってきます。次のような対応は、かえって自分を苦しめてしまうので気をつけましょう。
やってはいけないこと
- 本当は無理なのに、黙って全部引き受ける
- 引き受けたあとで、不機嫌な態度をとる
- 我慢を重ねた末に、ある日いきなり全部を突き返す
- 押し付けてくる同僚の悪口を、周りに言いふらす
- 期限に間に合わないことを、ぎりぎりまで言わない
いちばん避けたいのは、限界まで我慢して、ある日突然爆発してしまうことです。周りからは急に態度が変わったように見え、「あの人は気分屋だ」と誤解されかねません。
引き受けたのに不機嫌でいると、相手には「頼んだら嫌な顔をされた」という印象しか残りません。引き受けるなら気持ちよく、無理なら最初に断る。この切り替えが、自分を守ることにつながります。
角を立てずに断る言い方(例文)
断るときのコツは、相手を否定せずに、自分の事情を伝えることです。場面ごとに、そのまま使える言い方を紹介します。
今の仕事量を伝えて断る
- 「ごめんなさい、今日は〇〇の締め切りがあって、手が回らないんです」
- 「今週は△△の資料づくりで手いっぱいなので、今回は難しいです」
理由は短く、具体的に。「無理です」だけで終わらせず、何をしているから難しいのかを添えると、相手も納得しやすくなります。
条件をつけて引き受ける
- 「明日の午後からなら手伝えます。それでも間に合いますか?」
- 「〇〇の作業を代わってもらえるなら、引き受けられます」
全部を断るのが難しいときは、条件をつけて引き受ける方法もあります。いつならできるか、何と引き換えならできるかを示すと、相手も気軽には頼みにくくなります。
一部だけ引き受ける
- 「データの入力だけならできるので、まとめるところはお願いできますか」
- 「最後の確認だけなら手伝えます」
全部を背負わず、自分にできる範囲だけを引き受けます。相手にも役割を残すことで、まるごと任されるのを防げます。
チャットで頼まれたときの返し方
文字だけのやり取りは、冷たく見えやすいものです。あいさつと、できる代わりの案を一緒に書くと、角が立ちにくくなります。
お疲れさまです!急ぎでこの集計お願いできますか?
お疲れさまです。今日は〇〇の締め切りがあって、すぐには難しいです。
明日の午前中なら手をつけられますが、それで間に合いそうですか?
既読のまま返事を後回しにするより、早めに「今日は難しい」と返すほうが、相手もほかの手を考えやすくなります。
丸投げされたときの返し方
「あとはよろしく」と、中身の説明もなく仕事を渡されたときは、引き受ける前に確認しましょう。
これ、あとはよろしくね。
わかりました。先にいくつか確認させてください。
締め切りはいつで、どこまで仕上げればいいですか?
途中でわからないことがあったら、〇〇さんに聞いてもいいですか?
確かめることで、「任せっぱなしにはできない」と相手に伝わります。責任の範囲もはっきりして、あとから「そんなつもりじゃなかった」と言われるのを防げます。


シンパンくんから
最初のひと言は勇気がいるけど、一度言えると次からはぐっと楽になるよ。「明日なら」から練習してみよう。
押し付けられにくくなる、普段のひと工夫
断り方と同じくらい大切なのが、普段の見せ方です。少しの工夫で、そもそも頼まれごとが集中しにくくなります。
忙しさを見える形にしておく
朝礼や打ち合わせで、「今週は〇〇と△△を進めています」と、自分の担当をひと言伝えておきましょう。共有の予定表や作業の一覧に、自分の仕事を書きこんでおくのも効果的です。
周りがあなたの忙しさを知っていれば、「今は頼むのをやめておこう」と考えてくれる人も増えます。
即答せず、いったん確かめる
頼まれた瞬間に「いいですよ」と言うくせがあるなら、「確認してから、10分後にお返事しますね」と、ひと呼吸おく習慣をつけましょう。
自分の予定を見直す時間ができるだけで、無理な引き受けはぐっと減ります。返事を待つあいだに、相手がほかの人に頼み直すこともあります。
引き受けたい仕事は自分から手を挙げる
頼まれるのを待つのではなく、「この部分は私がやります」と、得意な仕事や関わりたい仕事に、自分から手を挙げるのも一つの方法です。
先に自分の担当がはっきりしていれば、ほかの仕事を頼まれたときも「今はこれを担当しているので」と言いやすくなります。引き受ける仕事を「選ぶ側」に回ると、押し付けられている感覚は小さくなります。
減らないときは上司に相談する
断り方を工夫しても頼まれる量が減らないときや、仕事の分け方そのものに問題があるときは、上司に相談しましょう。

相談したほうがいいタイミング
- 自分の仕事の締め切りに、間に合わなくなりそうなとき
- 残業や休日の作業が続いているとき
- 断っても、同じ人から何度も頼まれるとき
「迷惑をかけたくない」と我慢しがちですが、仕事が回らなくなってから伝えるより、早めに相談したほうが、上司も手を打ちやすくなります。
事実と数字で伝える(例文)
上司には、「〇〇さんに押し付けられて困っています」と人を責める言い方ではなく、今の仕事の状況を事実で伝えます。
- 「今週は自分の担当のほかに、頼まれた作業が4件あり、自分の仕事が遅れています」
- 「〇〇の作業は担当が決まっていないので、決めていただけると助かります」
「誰が悪いか」ではなく「仕事がどう回っていないか」を伝えると、上司も割り振りを見直しやすくなります。担当している仕事と頼まれた仕事を一覧にして見せると、さらに伝わりやすくなります。
相談のときに避けたい言い方
「もう限界です」「みんな勝手です」と気持ちだけをぶつけると、上司も何から手をつければいいかわかりません。気持ちは「困っています」のひと言にとどめて、あとは事実を伝えましょう。
割り振りが上司のほうで偏っているとき
そもそも上司が、特定の人に楽な仕事を回し、あなたに負担の大きい仕事ばかり振っている、ということもあります。扱いの差が気になるときは、上司がえこひいきするときの記事も参考にしてください。
断ったら嫌がらせをされる、明らかにこなせない量を押し付けられ続けるといった場合は、職場のハラスメントにあたる可能性があります。こうした状態が続くなら、社内の相談窓口に加えて、各都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど、働く人の悩みを受け付けている公的な窓口も使えます。
それでも、ひとりで抱えこんでしまうときは
頼まれると断れない自分に、もどかしさを感じている人もいるでしょう。性格はすぐには変えられないからこそ、自分を責めずに、少しずつ練習していけば大丈夫です。
「断ったら嫌われるかも」という不安が強いときは、その気持ちを誰かに聞いてもらうだけでも、心が軽くなります。職場の人に話しにくければ、外の人の力を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
仕事を断ったら、嫌われませんか?
理由を添えて丁寧に断れば、関係が大きく崩れることはあまりありません。断ったあとも、あいさつや普段のやり取りを変えずに続けることが大切です。断ったあとに相手がよそよそしくなったときの向き合い方は、同僚の態度が急に変わった理由をまとめた記事で紹介しています。
頼まれごとを断るのが苦手です。どうすれば言えるようになりますか?
いきなり全部を断ろうとせず、「明日なら」「ここまでなら」と条件をつけるところから始めてみましょう。小さな「できません」を伝えられた経験が、少しずつ自信になっていきます。
先輩に押し付けられる場合も、同じ断り方でいいですか?
先輩が相手のときは、断るより「確認」の形をとると角が立ちにくくなります。「今〇〇を進めているのですが、どちらを先にやればいいでしょうか」と優先順位を聞くと、自然に今の仕事量を伝えられます。
引き受けた仕事を、途中で断ってもいいですか?
状況が変わって続けるのが難しくなることもあります。その場合は、できるだけ早く「〇〇が入ってしまい、ここまでしかできません」と、どこまで終わったかを添えて伝えましょう。黙って遅らせるより、ずっと印象がよくなります。
同僚が自分より楽をしているように見えて、イライラします。
その気持ちは自然なものです。ただ、相手の仕事量は外から見えないこともあります。まずは自分の仕事量を上司に伝えて、割り振りの見直しをお願いするほうが、気持ちも楽になります。
まとめ
頼まれごとが重なると、「なぜ自分ばかり」と感じるのは当然のことです。最後に、この記事のポイントをふり返りましょう。
- 押し付けてくる本音は、「断らない人」だと思われている、負担を減らしたい、頼りにしている、自覚が薄い、頼れる人がほかにいない、仕事の分け方があいまい、など
- 頼まれやすいのは、やさしく責任感が強く、忙しさを見せない人
- 黙って全部引き受ける、不機嫌に引き受ける、いきなり爆発するのは避ける
- 断るときは今の仕事を理由に添え、条件つきや一部だけ引き受ける方法も使う
- 丸投げされたら、締め切りと範囲を確かめてから引き受ける
- 忙しさを見える形にし、即答せず、引き受ける仕事は自分で選ぶ
- 減らないときは、事実と数字で上司に相談する
あなたの時間と力にも、限りがあります。上手に断ることは、職場の人を大切にしながら、自分のことも大切にするための技術です。




