こんなことで、悩んでいませんか?

  • 母との電話を切ったあと、どっと疲れて何も手につかない
  • 転職の話をすれば「そんな会社で大丈夫なの」と言われる
  • 髪を短くすれば「前のほうがよかったのに」と返ってくる
  • 「母はわたしのことが好きではないのかも」と考えてしまう

褒めてほしいとまでは思わないのに、話すたびに小さく否定されて、心が少しずつすり減っていく。母親の本音がわからないと、よその家のお母さんがやさしそうに見えてしまうのも、無理はありません。

結論

母の否定や冷たさは、あなたへの評価とは限りません。母自身の不安や後悔、育った時代の考え方、気持ちを言葉にする不器用さから出ていることもあります。

ただし、あなたが傷ついた事実が消えるわけではありません。大人になった今は、母を変えようとするより、受け止め方と距離を自分で選んでいくことが大切です。

この記事でわかること

  • 冷たい・否定ばかりに見える母の、言葉の裏にある6つの本音
  • 不器用な愛情と、あなたを傷つける言葉の見分け方
  • 暴言や暴力が続くときの相談先
  • 大人になった今、母に対してやめたほうがいいこと
  • 否定されたときの返し方と、気持ちの伝え方の例文
  • 自分を守れる、母とのちょうどいい距離の選び方
この記事の目次閉じる開く
  1. 冷たい・否定ばかりの母の本音|言葉の裏にある6つの気持ち
    1. 1. 心配が、否定の言葉になって出てしまう
    2. 2. 自分の人生への後悔を、あなたに重ねている
    3. 3. 「褒めると甘える」と言われて育った世代
    4. 4. 気持ちを言葉にするのが、とても不器用
    5. 5. 母自身に、心の余裕がない
    6. 6. 子どもにだけは、遠慮がいらないと思っている
  2. 不器用な愛情か、心を傷つける言葉か|見分けるポイント
    1. 不器用でも、愛情がにじんでいるサイン
    2. 心の距離をとったほうがいいサイン
    3. 暴言や暴力が続くときは、ひとりで抱えないで
  3. 大人になった今、母に対してやめたほうがいいこと
  4. 否定されたときの返し方と、気持ちの伝え方(例文つき)
    1. その場では「受け取るだけ」で終わらせる
    2. 傷ついたことは、一つの出来事にしぼって伝える
    3. 直接言いにくいときは、短い手紙で
  5. 大人になった今の、母との向き合い方
    1. 「いつか全部わかってくれる」を、いったん手放す
    2. 母の若いころの話を、聞いてみる
    3. 自分を守れる距離を、段階で考える
    4. 父やきょうだいの話も、手がかりになる
  6. それでも母の本音がわからないときは
  7. よくある質問
  8. まとめ

冷たい・否定ばかりの母の本音|言葉の裏にある6つの気持ち

母の言葉はきつく聞こえても、その奥には別の気持ちが隠れていることがあります。よくある6つの本音を、具体的な場面と一緒に見ていきましょう。

出かける人を心配そうに見送る年上の家族
きつい言葉の奥に、心配が隠れていることも

1. 心配が、否定の言葉になって出てしまう

たとえば、ひとり暮らしを始めると伝えたとたん、「家賃は払えるの」「夜道は危ないでしょう」と、反対するようなことばかり言われる。こんな場面です。

心配性の人ほど、うまくいく場面より先に、困った場面を思い浮かべてしまいます。その不安が、励ましではなく「大丈夫なの?」「やめたほうがいい」という否定の形で、口から出てしまうのです。

母の否定は、「あなたにはできない」という意味とはかぎりません。よく知らない道へ進むわが子が心配で、言葉の選び方を間違えているだけのこともあります。

2. 自分の人生への後悔を、あなたに重ねている

「女の人も手に職をつけないと」「結婚相手は、よく考えて選びなさい」。母の口ぐせには、母自身が歩いてきた人生が映っていることがあります。

仕事をあきらめて家庭に入った、望まない苦労をした、やりたいことを言い出せなかった。そうした後悔があると、あなたの選ぶ道に自分の過去を重ねて、つい強く口を出してしまうのです。

なかには、自由に生きるあなたの姿がまぶしく、応援したい気持ちとうらやましい気持ちが混ざってしまう母もいます。素直に「いいね」と言えず、冷たい反応になるのは、そのためかもしれません。

3. 「褒めると甘える」と言われて育った世代

親の世代には、「子どもは褒めると調子に乗る」「身内を人前で褒めるのはみっともない」という考え方が、当たり前のようにありました。

親戚の前で「うちの子は、何をやってもだめで」と言われて、悲しくなったことはありませんか。母にとっては謙遜(へりくだって言うこと)のつもりで、心の中では誇らしく思っている場合もあります。

褒められた経験の少ない母は、そもそも褒め方を知らないこともあります。言ってもらえなかった言葉は、母の中に「なかった」のではなく、「出し方がわからなかった」だけかもしれません。

4. 気持ちを言葉にするのが、とても不器用

お正月に帰れないと伝えたら、「あ、そう。好きにしたら」と冷たく返された。こんなときの母は、本当は寂しくてたまらないのかもしれません。

「寂しい」「会いたい」「心配している」と素直に言えない人は、その気持ちを、そっけない返事や不機嫌な態度で表してしまいます。冷たさは、気持ちがないからではなく、気持ちの出口がうまく見つからないから生まれることもあるのです。

5. 母自身に、心の余裕がない

祖父母の介護、自分の体調の変化、父との関係、お金の心配。母が年を重ねるにつれて、あなたの知らない悩みを抱えていることもあります。

余裕がないときは、誰でも言葉がとげとげしくなるものです。最近になって急にきつくなったと感じるなら、母の暮らしに何か変化がなかったか、思い返してみてください。

6. 子どもにだけは、遠慮がいらないと思っている

ご近所や親戚にはにこやかなのに、自分にだけはきつい。そんな母の姿に、傷ついている人も多いでしょう。

外で気をつかっている人ほど、気をつかわなくていい相手には、言葉が雑になりがちです。とくに娘に対しては、自分の分身のように感じて「言わなくてもわかってくれるはず」「多少きつく言っても離れていかない」と、甘えている場合があります。

あなたへのきつさは、裏を返せば、それだけ近い存在だと思っているしるしかもしれません。もちろん、だからといって何を言ってもいいわけではありません。

シンパンくんからあなたへ

きつい言葉の奥に、心配や寂しさが隠れていることもあるんだ。でも、母の気持ちを想像できたとしても、あなたが傷ついたことまで、なかったことにしなくていいんだよ。

不器用な愛情か、心を傷つける言葉か|見分けるポイント

母の言葉がつらいとき、「愛情の裏返し」と受け止めていいものと、距離をとったほうがいいものがあります。言葉だけでなく、母のふだんの行動もあわせて振り返ってみましょう。

言動を落ち着いて振り返る
言葉だけでなく、ふだんの行動も振り返ってみましょう

不器用でも、愛情がにじんでいるサイン

言葉はきつくても、愛情がにじんでいるサイン

  • 否定はしても、本当に困ったときは手を貸してくれる
  • 帰省すると、あなたの好きなおかずが用意してある
  • きつく言った次の日に、何もなかったように連絡してくる
  • 体調や暮らしのことは、こまめに気にかけてくる
  • あなたのいない場で、あなたの話をよくしているらしい

いくつか当てはまるなら、母の否定は「心配の伝え方が下手」なだけの可能性が高いでしょう。母の本音は、言葉よりも行動のほうに出ていることが多いのです。そう考えると、少し気持ちが軽くなるかもしれません。

心の距離をとったほうがいいサイン

距離をとることを考えたほうがいいサイン

  • 見た目や性格を否定する言葉が、何年もくり返されている
  • 「産まなければよかった」など、存在そのものを否定することを言われる
  • 傷ついたと伝えても、笑われたり、もっと責められたりする
  • きょうだいと比べて、いつもあなただけが悪者にされる
  • 母と会う前後に、眠れない、涙が止まらないなどの状態が続く

こちらに当てはまるものがあるなら、「母の本音さえ理解できれば、うまくいく」とは考えないでください。母をわかろうとするより、あなたの心を守ることを先に考えていいのです。きょうだいとの比べられ方に悩んでいる人は、親が兄弟姉妹をえこひいきする本音も参考にしてみてください。

暴言や暴力が続くときは、ひとりで抱えないで

どなる、物を投げる、たたく、人格を否定する言葉を浴びせ続ける。こうしたことは、親子のあいだでも許されることではありません。家族の中だけでおさめようとせず、外の力を借りてください。

  • 家庭の悩みを聞いてくれる、お住まいの市区町村の相談窓口
  • 命の危険を感じたら、迷わず110番(急ぎでない相談は、警察の相談窓口「#9110」)
  • 気分の落ち込みや不眠が続くときは、心療内科などの医療機関

言われた言葉や日にちを簡単に書きとめておくと、窓口で事情を説明するときの助けになります。あなたが安心して暮らせることが、何より大切です。

大人になった今、母に対してやめたほうがいいこと

母との関係に疲れていると、つい次のような行動をとりたくなります。気持ちはよくわかりますが、かえって自分が苦しくなることが多いものです。

やめたほうがいいこと

  • 母の否定を、そのまま「自分の価値」として受け取る
  • わかってもらえるまで、何時間も説明や反論を重ねる
  • 子どものころからの不満を、一度に全部ぶつける
  • 母の機嫌をとるために、仕事や結婚など大事な選択を変える
  • 父やきょうだいに母の悪口を言って、味方を集める

いちばん避けたいのは、母のひと言を「わたしはだめな人間だ」という証拠にしてしまうことです。母の言葉は、母の不安や価値観から出た「ひとつの意見」にすぎません。

説明を重ねて納得させようとしても、うまくいくとは限りません。母にも長年かけてできあがった考え方があり、話せば話すほど、お互いに意地になってしまうこともあります。

子どものころの不満を一度にぶつけると、母の記憶には「責められた」ことしか残らない、ということになりがちです。伝えたいことがあるなら、このあと紹介するように、一つの出来事にしぼって話すほうが届きます。

また、家族を巻き込んで「母 対 自分たち」の形をつくると、家の中に逃げ場がなくなってしまいます。父が何を考えているのか見えずに悩んでいる人は、無口な父親の本音もあわせて読んでみてください。

否定されたときの返し方と、気持ちの伝え方(例文つき)

ここからは、母と話すときに使える受け止め方と、言葉の例を紹介します。

その場では「受け取るだけ」で終わらせる

否定されたとき、言い返すか、黙って傷つくかの二択になっていませんか。もう一つの方法が、「お母さんはそう思うんだね」と、意見として受け取るだけで終わらせることです。

賛成も反論もせず、「そう思うんだね」で区切るのがコツです。母は言いたいことを言えて気がすみ、あなたは自分の考えを曲げずにすみます。

否定されたときの受け流し方
相手

そんな会社に入って、本当に大丈夫なの?

あなた

お母さんはそう思うんだね。心配してくれてるのは伝わったよ

相手

だって、聞いたことのない会社じゃない

あなた

うん、自分でよく調べて決めたから。また様子を話すね

見た目のことを言われたときは
相手

ちょっと太ったんじゃない?

あなた

そうかもね。最近忙しかったから、気をつけるよ

あなた

それより、この前話してた旅行はどうだった?

最後に話題を変えるのもポイントです。否定の話題を長引かせないことで、言い合いになるのを防げます。

傷ついたことは、一つの出来事にしぼって伝える

それでも、どうしても伝えたいことがあるときは、「いつも」「昔から」を使わず、一つの出来事にしぼって話しましょう。「あのとき、ああ言われて悲しかった」と自分の気持ちを中心にすると、母も受け止めやすくなります。

気持ちを伝えたいときは
あなた

この前、仕事のことで「どうせ続かない」って言われたでしょう

あなた

悪気がないのはわかってるけど、正直ちょっと悲しかったんだ

あなた

心配なときは「大丈夫?」って聞いてくれたら、うれしいな

話すのは、母が疲れていない時間を選びましょう。夕飯の支度で忙しいときや、親戚の集まりの最中は避けて、二人で落ち着いて話せるときがおすすめです。

直接言いにくいときは、短い手紙で

面と向かうと言葉が出てこない、つい言い合いになってしまうという人は、手紙や短いLINEで伝える方法もあります。書いているうちに、自分が本当に伝えたいことが整理されるのもいいところです。

ただし、長い手紙で過去の不満を並べると、母は身構えてしまいます。便せん1枚くらいにおさめて、最後は「これからも、いろいろ話していきたい」という前向きな一言で結びましょう。

伝え方を考える
伝えたいことを一つにしぼると、言葉が届きやすくなります

大人になった今の、母との向き合い方

子どものころは、母の言葉から逃げる場所がありませんでした。けれど大人になった今は、母との距離や関わり方を、自分で選ぶことができます。

「いつか全部わかってくれる」を、いったん手放す

母が変わって、いつか全部わかってくれる日が来る。そう願い続けると、会うたびに期待して、そのたびに傷つくことになります。

母にも、変われる部分と、変われない部分があります。わかり合えないところがあるのを前提にすると、母のひと言に振り回されにくくなります。

母の若いころの話を、聞いてみる

母がどんな家で育ち、どんな若いころを過ごしたのか、聞いたことはありますか。母もまた厳しい親に育てられ、褒められないまま大人になったのかもしれません。

「お母さんがわたしくらいのころ、何してた?」「おばあちゃんって、どんな人だった?」。そう聞いてみると、母の言葉の背景が見えてくることがあります。自分の話に耳を傾けてもらえるのは、母にとってもうれしいものです。

自分を守れる距離を、段階で考える

母との距離は、「仲よくする」か「縁を切る」かの二つだけではありません。今の自分の状態に合わせて、段階で考えてみましょう。

距離のとり方こんなときに具体的には
今のまま話す否定はあっても普通に話せる返し方を工夫する
少し離れる会うたびに落ち込む会う時間を短くする
しばらく離れる心や体に不調が出ている連絡を減らし相談先を頼る

「少し離れる」なら、実家に泊まらず日帰りにする、食事は外のお店でとる、といった工夫ができます。連絡の回数や話す話題の決め方は、親の過干渉に悩んだときの記事でくわしく紹介しています。

父やきょうだいの話も、手がかりになる

母のことを、父やきょうだいはどう見ているでしょうか。「お母さん、最近ひざが痛いらしいよ」など、あなたの知らない母の事情を教えてもらえることもあります。

きょうだいとは、母への不満を言い合うより、母の様子を伝え合う関係をつくるのがおすすめです。きょうだいとしばらく話していない人は、兄弟姉妹と疎遠になった本音も読んでみてください。

反対に、母の側から見ると、大人になった子どもとの関係はどう感じられているのでしょうか。親の立場から書いた大人になった娘が冷たい本音を読むと、母の戸惑いが少し見えてくるかもしれません。

自分の気持ちに気づく
母の気持ちと同じくらい、自分の気持ちも大切に

シンパンくんからあなたへ

母との距離を自分で選ぶのは、親不孝なことじゃないよ。あなたが落ち着いていられる距離のほうが、かえってやさしい気持ちで母と向き合えることも多いんだ。

それでも母の本音がわからないときは

返し方を工夫しても、距離を変えてみても、母の気持ちがわからない。母の言葉を思い出しては、眠れない夜を過ごしている。そんな人もいるかもしれません。

母とのことは、親しい友達にも話しにくいものです。「どこの家もそんなものだよ」と軽く流されると、それ以上は言えなくなってしまいます。

母のことも家族のことも知らない相手になら、かえって気をつかわずに話せるものです。言葉にしていくうちに、母に何を求めていたのか、自分の本当の気持ちが見えてくることもあります。

よくある質問

母に褒められた記憶がありません。愛されていなかったのでしょうか?

褒め言葉が少なかったことと、愛情がなかったことは、同じではありません。褒めると甘えると考える世代の親や、褒め方を知らない親もいます。ただ、褒めてほしかったあなたの気持ちも自然なものです。寂しかった気持ちは、そのまま認めてあげてください。

母と会うのが憂うつです。会わなくてもいいのでしょうか?

会うたびに心や体がつらくなるなら、会う回数や時間を減らしてかまいません。いきなり連絡を断つのが不安なら、まずは日帰りにする、電話を短くするなど、小さく距離をとってみましょう。暴言や暴力がある場合は、自分の安全を優先してください。

母が年を取ってから、前よりきつくなった気がします。

体力が落ちたり、思うように動けなかったりするいらだちが、言葉に出ていることもあります。急に人が変わったように感じる、同じ話を何度もするなど、気になる変化があるときは、かかりつけ医に相談してみるのも一つの方法です。

母に謝ってほしいと思うのは、わがままですか?

わがままではありません。ただ、母が謝るかどうかは、あなたには決められないことです。謝罪を待ち続けて苦しむより、「伝えるだけは伝えた」と区切りをつけるほうが、心が楽になることもあります。

仲のいい親子を見ると、うらやましくなります。

仲よく見える親子にも、それぞれに見えない悩みがあるものです。親子の形は一つではありません。母と「ほどほどに話せる」関係も、立派な親子の形の一つです。

まとめ

母の本音がわからずに悩むのは、それだけ母との関係を大切に思っているからです。最後に、この記事のポイントをおさらいしましょう。

  • 母の否定や冷たさには、心配、人生への後悔、世代の価値観、不器用さ、心の余裕のなさ、甘えが隠れていることもある
  • 言葉より行動に愛情がにじんでいるかどうかで、不器用な愛情かを見分ける
  • 存在を否定される、暴言や暴力が続くときは、自分を守ることを最優先にして公的な窓口へ
  • 否定されたら「そう思うんだね」と受け取るだけにして、話題を変える
  • 傷ついたことを伝えるなら、一つの出来事にしぼり、自分の気持ちを中心に話す
  • 母との距離は、今の自分の状態に合わせて段階で選んでいい

母のひと言で、あなたの価値が決まるわけではありません。母を理解しようとするのと同じくらい、自分の心もいたわってあげてください。

シンパンくんからあなたへ

母との関係は、大人になってからでも少しずつ形を変えていけるよ。あせらずに、あなたが心地よくいられるやり方を探していこうね。