
こんなことで、悩んでいませんか?
- 誕生日のお祝いに、きょうだいとの差があった
- 進学のときにかけてもらえたお金が、きょうだいと違った
- 実家に帰ると、親の表情がきょうだいのときと違う
- 「自分は大切にされていないのでは」と感じてしまう
同じ親から生まれ、同じ家で育ったのに、どうして自分だけ扱いが違うのだろう。兄弟姉妹をえこひいきする親の姿を見て、そう感じてきた人は少なくありません。一つひとつは小さなことでも、積み重なると、大人になってからも心に残り続けますよね。
結論
親のひいきは、あなたの価値が低いから起きているのではありません。手のかかる子に目が向く、性格が似ている子と気が合うなど、親の側の事情や思い込みから生まれていることが多いものです。
親を変えることはむずかしくても、受け止め方と距離の取り方は、自分で選べます。まずは、あなたの心を守ることをいちばんに考えていきましょう。
この記事でわかること
- 親がきょうだいをえこひいきしてしまう本音
- ひいきに見えやすい場面と、親の側の見え方
- 比べられてつらいときの心の守り方
- 親に気持ちを伝えるときの方法と例文
- 気持ちを伝える前に避けたいこと
- 親と距離を取るという選択の考え方
この記事の目次閉じる開く
親が兄弟姉妹をひいきしてしまう本音
親のひいきには、親自身も気づいていない理由が隠れていることがよくあります。理由を知ってもつらさが消えるわけではありませんが、「自分のせいではなかった」と思えるきっかけにはなるはずです。

手のかかる子に、目と手が向いてしまう
体が弱い、勉強が苦手、気持ちが不安定になりやすい。そんなきょうだいがいると、親の時間と気持ちは、どうしてもその子に向きがちです。
しっかりしている子のことは、「この子は大丈夫」と安心して、つい後回しにしてしまうのです。親にとっては信頼のつもりでも、後回しにされた側には、さみしさとして残ります。
性格や好みが似ている子と、気が合う
親も一人の人間なので、性格や話し方、好きなものが似ている子とは、自然に会話が弾みます。反対に、自分と違うタイプの子には、どう接していいかわからないことがあります。
これは、愛情の大きさの違いというより、相性の違いです。ただ、親自身がそれに気づいていないと、接し方の差がそのまま表に出てしまいます。
長男・長女・末っ子への期待の違い
「長男だから家を継いでほしい」「上の子だからしっかりして当然」「末っ子はいくつになってもかわいい」。生まれた順番によって、親が子どもにかける期待や役割は変わりがちです。
期待をかけられた子は厳しくされ、期待の外にいる子は甘やかされる。どちらの立場の子も、それぞれに「自分は不公平に扱われている」と感じていることがあります。
「親が妹ばかりかわいがる」と感じている人の中には、この末っ子へのまなざしの違いが関わっている場合もあります。年が離れた末っ子ほど、親にとってはいつまでも小さな子どものように見えやすいのです。
親自身が、同じように育てられてきた
親自身も、きょうだいの中で比べられたり、特定の子だけがかわいがられたりする家庭で育ってきたのかもしれません。そうした環境で育つと、それが「ふつうの家族の形」として身についてしまうことがあります。
親も、知らず知らずのうちに、自分が受けた育て方をくり返しているのです。もちろん、だからといって、あなたが傷ついてよい理由にはなりません。
ひいきしているつもりがない
親のひいきでよく見られるのが、本人にまったく自覚がないパターンです。「どの子も同じように大事にしてきた」と、心から思っている親は少なくありません。
そのため、あなたが勇気を出してつらさを伝えても、「そんなことない」と驚かれたり、否定されたりすることがあります。親に自覚がないことと、あなたがつらかったことは、どちらも本当のことです。
近くに住む子、よく顔を出す子に気持ちが寄る
大人になってからは、実家の近くに住んでいるきょうだいや、孫を連れてよく顔を出すきょうだいに、親の気持ちが寄りやすくなります。会う回数が多いほど、話題も手助けも、そちらに集まっていくのです。
離れて暮らしていると、ひいきに見える場面ばかりが目に入りがちです。会う回数の差が、そのまま愛情の差に見えてしまうこともあります。

シンパンくんから
親のひいきって、親自身が気づいていないことも多いんだ。だからこそ、あなたが悪いわけじゃないって覚えておいてね。
ひいきに見えやすい場面と、親の側の見え方
同じ出来事でも、子どもの側と親の側とでは、見え方が違っていることがあります。親の頭の中にありがちな思いを、場面ごとにまとめました。
| ひいきに見える場面 | 親の側にありがちな思い |
|---|---|
| きょうだいにだけお金の援助をする | 「あの子は今、暮らしが大変そうだから」 |
| 実家に帰ると、きょうだいの話ばかり | 「近くにいるから、話すことが多い」 |
| きょうだいの子どもを特別にかわいがる | 「よく会うから、なついてくれる」 |
| あなたの報告には反応がうすい | 「この子は昔から大丈夫だから」 |
| きょうだいと比べる言葉を口にする | 「励ましているつもり」 |
親の思いがわかったからといって、あなたのさみしさが間違っていたことにはなりません。ただ、「嫌われているから」ではなく「親の見方が偏っているから」と考えられると、自分を責める気持ちは少し小さくなります。
きょうだいへの特別扱いが、お金や相続の話にまで及んでいるときは、感情だけで動かず、家族で落ち着いて話し合う場を持つことが大切です。話がこじれそうなら、自治体の無料法律相談などで専門家の意見を聞く方法もあります。
比べられてつらいときの心の守り方
親との関係を変えようとする前に、まずはあなた自身の心を守ることを考えましょう。
つらかった気持ちを、なかったことにしない
「もう大人なんだから」「親も大変だったんだから」と、自分の気持ちを押し込めていませんか。子どものころのさみしさは、大人になっても、心のどこかに残っているものです。
まずは、「私はつらかった」「本当はもっと見てほしかった」と、自分の気持ちを認めてあげましょう。誰にも見せないノートに書き出すだけでも、心は少し軽くなります。
親の評価と、あなたの価値を切り離す
親から十分に認めてもらえなかったと感じていると、「自分はたいしたことのない人間だ」と思い込みやすくなります。けれど、親の評価は、親の物差しで測った一つの見方にすぎません。
仕事でがんばっていること、友達に頼りにされていること、毎日の暮らしを自分で回していること。親が見てくれなかったところにも、あなたの価値はちゃんとあります。

比べる言葉は、心の中で受け流す
「お兄ちゃんは〇〇なのに」と比べる言葉を言われたら、心の中で「それは親の意見」とつぶやいて、受け流す練習をしてみましょう。その場で言い返さなくても、言葉をそのまま心に入れないだけで、傷は浅くなります。
実家に帰る前に、「今日は比べる話が出たら、話題を変える」と決めておくのもおすすめです。「そういえば、庭の花は咲いた?」など、別の話題をあらかじめ用意しておくと、慌てずにすみます。
安心できる人とのつながりを大切にする
親から得られなかった安心感は、親以外の人との関係の中で、少しずつ育てていくことができます。パートナー、友達、職場の仲間など、あなたをそのまま受け止めてくれる人との時間を大切にしましょう。
気持ちの落ち込みが長く続く、眠れない日が多いといった場合は、ひとりで抱えず、医療機関や専門の相談窓口に相談してください。

シンパンくんから
親に見てもらえなかった分まで、あなたがあなたを大事にしていいんだよ。
親に気持ちを伝えるときの方法と例文
心がある程度落ち着いて、それでも親に気持ちを伝えたいと思ったら、伝え方を工夫してみましょう。

伝える目的を、自分の中ではっきりさせる
「謝ってほしい」のか、「これからは比べないでほしい」のか、「ただ知っておいてほしい」のか。目的によって、伝える内容は変わります。
親に自覚がない場合、過去のことを認めて謝ってもらうのはむずかしいことがあります。「これからどうしてほしいか」に絞って伝えるほうが、親も受け取りやすくなります。
話す相手、場所、時間を選ぶ
両親のうち、話しやすいほうに先に伝えるのも一つの方法です。二人そろった場で話すと、片方がもう片方をかばい、話がそれてしまうことがあります。
お正月やお盆など、親戚やきょうだいが集まる場で切り出すのは避けましょう。二人きりで、時間に追われない日を選ぶと、親も落ち着いて耳を傾けやすくなります。
「私は」を主語にして、一つの場面だけ伝える
「いつもお姉ちゃんばかり」と言うと、親は責められたと感じて、身構えてしまいます。「あのとき、私は悲しかった」のように、相手の行動ではなく自分の気持ちを中心にした言い方に変えてみましょう。
たくさんの思い出を一度に並べると、話の焦点がぼやけます。いちばん伝えたい場面を一つだけ選んで話すのがコツです。
この前、お兄ちゃんと比べられたとき、正直ちょっと悲しかったんだ
責めたいわけじゃないけど、私なりにがんばっていることも知ってほしくて
これからは、比べる言い方はしないでもらえるとうれしいな
直接話すと感情が高ぶりそうなときは、手紙やLINEで伝える方法もあります。文字にすると、言葉を選び直す時間が持てます。
期待どおりの反応でなくても、伝えた自分を認める
気持ちを伝えても、親が「そんなつもりはなかった」と言うだけで、望んでいた言葉が返ってこないこともあります。それでも、あなたが自分の気持ちを言葉にできたことには、大きな意味があります。
その場でわかってもらえなくても、時間がたってから、親の態度が少し変わることもあります。母親とのやり取りに悩むときは母親の本音がわからない、父親の気持ちがわからないときは無口な父親の本音も参考にしてみてください。
気持ちを伝える前に避けたいこと
長年のさみしさがあるほど、気持ちがあふれて、思わぬ形でぶつけてしまうことがあります。次のような行動は、あなた自身をさらに傷つけることになりかねません。
やってはいけないこと
- ひいきされているきょうだいに、怒りをぶつける
- 親の前で、きょうだいの悪口を言う
- 子どものころの不満を、一度に全部並べて責める
- わざと連絡を絶って、親の愛情を試す
- 親に認めてもらうために、無理を重ねてがんばり続ける
ひいきされているきょうだいも、親の偏りに気づいていなかったり、別の形で苦しんでいたりすることがあります。怒りの矛先をきょうだいに向けると、きょうだいとの関係まで壊れてしまいかねません。
きょうだいとの間がぎくしゃくしてしまったときは、兄弟姉妹と疎遠になったときの本音と関係の戻し方も読んでみてください。
わざと連絡を絶って、親が心配してくれるかを確かめたくなることもあるでしょう。けれど、期待した反応が返ってこないと、かえって深く傷ついてしまいます。距離を取るなら、試すためではなく、自分を守るために決めましょう。
親と距離を取るという選択
大人になってからも親のえこひいきが続き、伝えても変わらない、実家に帰るたびに心がすり減る。そんなときは、親と距離を取ることも、自分を守る大切な方法です。

会う回数と時間を、自分で決める
距離を取るといっても、縁を切る必要はありません。帰省を年に数回にする、実家にいる時間を半日にするなど、自分が穏やかでいられる範囲を決めましょう。
「夕方には帰るね」と先に伝えておけば、比べる話が出ても、長く引きずらずにすみます。
頼まれごとに、線を引く
ひいきされていないと感じている側が、かえって親の手伝いや介護、お金のことを頼まれやすい、ということもあります。「自分がやらなければ」と抱え込まず、できること・できないことを、はっきり伝えましょう。
きょうだいとも相談しながら、役割を分けることが大切です。ひとりで背負うと、さみしさに加えて、不公平だという気持ちがさらに大きくなってしまいます。
距離は、そのときの自分に合わせて選び直していい
一度距離を取ったら、もう戻れないわけではありません。気持ちが落ち着いたら少し近づき、つらくなったらまた離れる。親との距離は、そのときのあなたに合わせて選び直していいのです。
親が何かと口を出してくる、自分の生活に入り込んでくるという悩みもあるなら、親が過干渉になる心理と、大人になってからの距離の作り方も参考になります。
親から暴言を浴びせられる、お金を無理に求められるなど、つらさが限界を超えているときは、家族の中だけで解決しようとしないでください。
相談できるところ
- お住まいの自治体の相談窓口
- 警察相談専用電話「#9110」:急ぎではないけれど、警察に相談したいとき
- 110番:今まさに身の危険を感じるとき
- 18歳未満で、家の中で暴力や暴言を受けているとき:学校の先生や、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」
- 大学や専門学校などに通っているとき:学校の学生相談室
ひとりで抱えきれないときは
親のひいきで傷ついてきたつらさは、近しい相手にこそ打ち明けにくいものです。パートナーや友達に話しても、「親なんだから仕方ない」「気にしすぎ」と言われ、かえって孤独を感じることもあるでしょう。
長い年月の中でたまってきた気持ちは、家族と関わりのない人に話すことで、少しずつほどけていくことがあります。
よくある質問
大人になった今でも、親のひいきが気になる自分は、心が狭いのでしょうか?
心が狭いわけではありません。子どものころに感じたさみしさは、大人になっても残りやすいものです。気になる自分を責めるより、そう感じるのは自然なことだと受け止めてあげてください。
親に気持ちを伝えたら、「あなたはひがみっぽい」と言われました。
自覚のない親は、指摘されたことに驚いて、強い言葉で返してしまうことがあります。その言葉をそのまま信じる必要はありません。少し時間をおいて、これから伝えるかどうかを考え直しましょう。
ひいきされているきょうだいとは、どう付き合えばいいですか?
親の接し方と、きょうだい本人とは分けて考えるのがおすすめです。きょうだいも、親からの期待を重く感じているかもしれません。親の話題を避けて、二人で話せる時間を作ってみましょう。
親の介護は、ひいきされていた兄弟がやるべきだと思ってしまいます。
そう思うのは、無理もないことです。気持ちを押し殺して一人で抱えるより、きょうだいで役割を話し合い、できることとできないことを伝えましょう。介護のことで困ったときは、地域包括支援センターにも相談できます。
自分の子どもには、同じ思いをさせたくありません。
そう思えること自体が、大切な一歩です。子どもどうしを比べる言葉を使わない、一人ひとりと過ごす時間を作る、と意識するだけでも、子どもの受け取り方は変わってきます。
まとめ
きょうだいと比べられてきたつらさは、簡単には消えないものですよね。この記事でお伝えしたことを、ひとまとめにしておきます。
- 親のひいきは、手のかかる子に目が向く・相性・期待の違い・無自覚などから生まれることが多い
- 親の評価と、あなたの価値は別のもの
- 比べる言葉は心の中で受け流し、話題を変える準備をしておく
- 気持ちを伝えるときは「私は」を主語に、これからのことに絞る
- 伝えても変わらないときは、会う回数や頼まれごとに線を引いて距離を取る
親との距離は、あなたの心が穏やかでいられるところに決めていいのです。

シンパンくんから
比べられてきた分、あなたはたくさんがんばってきたんだね。これからは、自分の気持ちをいちばんに大切にしていこう。




