
こんな日に、身構えていませんか?
- 朝から上司の表情が硬く、キーボードの音も強い
- 話しかけても目を合わせず、「で?」とだけ返される
- 「さっきの報告がまずかったのかな」と気になる
- 上司の機嫌ひとつで、一日の気分が決まってしまう
上司の機嫌が悪い日は、フロア全体の空気まで重たく感じますよね。「私が何かしたのかも」と、仕事が手につかなくなる人も少なくありません。
結論
上司の機嫌が悪い理由は、あなたではなく上司自身が抱えている事情にあることもあります。上からの圧力や仕事の量、体の疲れが、表情や口調にそのまま出ているのかもしれません。
ただし、部下の仕事への不満が混じっていることもあります。
この記事でわかること
- 上司の機嫌が悪いときに考えられる6つの本音
- 「自分のせい」かどうかを見分けるポイント
- 不機嫌な上司に話しかけるタイミングと報告の例文
- 毎日の不機嫌に疲れたときの気持ちの守り方
- 怒鳴る・人格を否定するなどの言動があるときの相談先
この記事の目次閉じる開く
上司の機嫌が悪いときの本音|不機嫌の裏にある6つの事情
上司の不機嫌には、何かしらの「わけ」があるものです。部下の席からは見えにくいものも多いので、まずはどんな事情がありうるのかを知っておきましょう。
1. さらに上の立場から、強く求められている
上司にも、そのまた上に上司がいます。部長から数字の遅れを指摘された、役員の前で厳しいことを言われた、といった出来事のあとは、表情が硬くなりやすいものです。
たとえば、週の初めに会議から戻ってきた上司が、急に口数が減ってため息ばかりついている。こんな場面なら、会議で何かを強く求められたと考えるのが自然でしょう。上と下の板ばさみになって、気持ちの逃げ場がなくなっている状態です。
2. 抱えている仕事が多すぎて、余裕がない
部下をまとめる役目と自分の担当業務を、同時に抱えている管理職も少なくありません。締め切りが重なる時期や人手が足りない時期は、頭の中がいっぱいで、言葉を選ぶ余裕がなくなります。
話しかけたときに「あとにして」と言われたり、返事がひと言で終わったりするのは、あなたを拒んでいるとは限りません。目の前の作業から手が離せないだけ、ということも多いのです。
3. 体調不良や寝不足が続いている
頭痛や肩こり、寝不足、季節の変わり目のだるさなど、体のつらさは機嫌に直結します。本人は「体調が悪い」と言わずに働いていることが多く、周りからは「なんだか怖い」とだけ見えてしまいます。
家庭の事情や家族の看病など、職場の外の心配ごとが影響していることもあります。ただ、こうした私生活の事情は、部下が無理に聞き出すものではありません。「そういうこともある」と知っておくだけで十分です。
4. 部下の仕事ぶりに、不満がたまっている
ここが、いちばん気になるところかもしれません。報告が遅い、同じミスがくり返される、期限が近いのに相談がない。こうした不満がたまると、上司はそれを言葉ではなく態度で示してしまうことがあります。
ただし、このときの不機嫌は、特定の出来事のあとに始まり、その件に関わる場面で強く出るのが特徴です。思い当たる出来事があるなら、次の章の見分け方で確かめてみましょう。
5. 計画どおりに進まず、焦っている
取引先からの急な変更、システムのトラブル、予定していた人の急な休み。仕事が思いどおりに進まないとき、責任者である上司は誰よりも焦っています。
焦りはイライラとして表に出やすく、その場にいる人に強い口調が向いてしまうことがあります。トラブル対応の最中に話しかけて冷たくされたなら、タイミングが悪かっただけと考えてよいでしょう。
6. もともと気分が顔に出やすい人
なかには、機嫌の良し悪しがそのまま表情や声に出るタイプの人もいます。本人に悪気はなく、自分がどう見えているかに気づいていないこともよくあります。
こうした上司は、機嫌が悪い日があっても、翌日にはけろっとしていることが多いです。毎回まともに受け止めていると疲れてしまうので、「今日はこういう日」と天気のように眺める見方も役に立ちます。

シンパンくんから
上司の不機嫌って、こっちから見えない理由のことも多いんだ。理由がわからないまま「自分のせいかも」と考え続けるのは、ちょっともったいないよ。
自分のせい?上司の不機嫌を見分けるポイント
不機嫌の理由が自分にあるのかどうかは、「誰に向いているか」と「いつから始まったか」を見ると、かなり整理できます。気持ちが沈んでいるときほど、何でも自分のせいに思えてくるので、事実を一つずつ確かめてみましょう。
| 確かめること | 「はい」なら考えられること |
|---|---|
| ほかの人にも同じ態度? | 上司自身の事情によるもの |
| 会議や締め切りの前後に多い? | 忙しさや上からの圧力 |
| ある一件のあとから始まった? | その件への不満が残っている |
| 自分にだけ何週間も続いている? | 仕事の話として一度確かめたい |
上の2つに「はい」が多いなら、不機嫌の出どころは上司自身の事情であることが多いでしょう。下の2つに「はい」が多いなら、自分の仕事への不満が混じっている可能性があります。

自分のせいではない可能性が高いサイン
上司自身の事情で不機嫌なサイン
- ほかの人に対しても、同じように返事が短い
- 会議のあとや月末など、決まった時期に機嫌が悪くなる
- 仕事の中身については、いつもどおり確認や指示をくれる
- 機嫌が悪い日と普通の日が、はっきり分かれている
- 「ごめん、今バタバタしてて」と、あとで一言ある
当てはまる項目が多いなら、上司の不機嫌はあなたとは別のところから来ている可能性が高いでしょう。必要以上に謝ったり、自分を責めたりしなくて大丈夫です。
自分への不満が混じっているかもしれないサイン
自分の仕事への不満が考えられるサイン
- ある報告やミスのあとから、自分にだけ口調がきつい
- 自分の書類だけ、何度も差し戻される
- 「前にも言ったよね」と、同じ指摘をくり返される
- ほかの人には頼む仕事を、自分には頼まなくなった
こちらに当てはまっても、関係が壊れたわけではありません。不満の中身がわかれば、行動を変えて取り戻せます。このあと紹介する話しかけ方と報告の仕方から試してみてください。
不機嫌というより、自分にだけ冷たい態度が長く続いているなら、上司が自分にだけ冷たいときの見分け方も参考になります。反対に、以前は注意してくれていたのに何も言われなくなった場合は、上司が怒らなくなったときの本音を読んでみてください。
気になるなら、仕事の話として一度だけ聞く
どうしても気になるときは、上司が落ち着いているタイミングを選んで、仕事の質問として確かめてみましょう。「怒っていますか?」と聞くと、上司も身構えてしまいます。
先日の〇〇の件で、私の進め方に気になる点があれば教えていただけますか。次から直したいので。
ああ、あれね。途中で一回相談してほしかったかな。
わかりました。次は半分くらい進んだところで、一度ご相談します。
「特にないよ」と返ってきたら、それ以上は深追いせず、言葉どおり受け取りましょう。何度も確かめると、かえって上司の負担になってしまいます。
不機嫌な上司にやってはいけないこと
上司の機嫌が悪いと、つい身を守る行動をとりたくなります。けれども、次のような対応は、かえって状況を悪くしてしまいがちです。
こじらせやすい対応
- 機嫌が直るまで、急ぎの報告まで後回しにする
- 「大丈夫ですか」「怒っていますか」と何度も様子を聞く
- 自分に関係のないことまで「すみません」と謝る
- 同僚と「今日も機嫌悪いね」と言い合う
- 上司の不機嫌に合わせて、自分もぶっきらぼうに返す
なかでも避けたいのが、報告の先送りです。悪い知らせほど、あとになるほど大きな問題になり、上司の機嫌もさらに悪くなります。機嫌が悪い日こそ、仕事の連絡だけは止めないことが、自分を守ることにもつながります。
同僚どうしで上司の不機嫌を話題にするのも、気持ちはわかりますが控えめにしましょう。話しているうちにイライラが大きくなり、思わぬ形で本人に伝わることもあります。
機嫌が悪い上司への話しかけ方と報告の仕方
上司の機嫌は変えられませんが、話しかけるタイミングと伝え方は、自分で工夫できます。ここでは、すぐに試せる方法を例文つきで紹介します。

話しかけやすい「すき間」を見つける
会議の直後、電話を切った直後、締め切り前の夕方は、上司の頭がいちばん忙しい時間です。反対に、席に戻ってお茶を飲んだときや、一つの作業が終わって伸びをしたときは、話を聞く余裕が生まれやすくなります。
数日だけでも上司の一日の流れを観察すると、比較的おだやかな時間帯が見えてきます。急がない用件は、その時間にまとめて持っていくようにしましょう。
最初のひと言で「何の話か」と「何分か」を伝える
機嫌の悪い人は、話がどこへ向かうのかわからない状態をいちばん嫌がります。最初の一言で、用件とかかる時間を伝えると、上司も聞く準備ができます。
〇〇さん、2分だけよろしいですか。△△社の納期の件で、決めていただきたいことが一つあります。
……何?
先方から1日延ばせないかと相談がありました。延ばす場合と延ばさない場合の案を、このメモにまとめています。
じゃあ延ばす方向で。メモは置いといて。
返事がぶっきらぼうでも、用件が通ればそれで十分です。見るのは上司の口調ではなく、「決めてもらえたかどうか」だと考えましょう。
悪い知らせは「早く・短く・対応案つき」で
ミスやトラブルの報告は、気が重いものです。それでも、上司にとっていちばん困るのは、あとから知らされることです。
- 何が起きたかを、一文で先に言う
- 自分が今わかっていることと、まだわからないことを分ける
- 「こう対応しようと思っています」という案を一つ持っていく
- 謝罪は最初に一度、はっきりと伝える
たとえば「申し訳ありません。△△社への見積もりで、金額を一か所間違えて送りました。先方にはお詫びと、訂正版をお送りすることを連絡済みです」と伝えれば、上司は次に何をすべきかをすぐに判断できます。
急がない用件は、メモやチャットにまとめる
機嫌が悪い日に、急がない相談を口頭で持ちかける必要はありません。社内チャットやメモにまとめて、上司が自分のタイミングで読めるようにするのもひとつの方法です。
その際は「急ぎではありません。金曜までにお返事いただければ大丈夫です」と期限を書き添えると、上司も後回しにしやすく、こちらも返事を待つ不安が減ります。
細かい確認や手直しが多い上司なら、細かすぎる上司の本音と付き合い方で紹介している「先回りの報告」も役に立ちます。
毎日の不機嫌に疲れたときの考え方
工夫をしても、上司の機嫌が毎日のように悪いと、心がすり減ってしまいます。ここでは、上司の機嫌に振り回されないための考え方を紹介します。
上司の機嫌は「上司が持っている荷物」
上司の不機嫌は、上司自身が抱えている荷物のようなものです。あなたが代わりに持ったり、軽くしてあげたりする役目はありません。
「機嫌を直さなきゃ」と思うのをやめて、「私は自分の仕事をきちんとやる」と決めるだけで、少し肩の力が抜けます。あなたの役目は上司の機嫌を取ることではなく、仕事を前に進めることです。
不機嫌を「自分への評価」と結びつけない
ため息や強い口調を向けられると、自分の価値まで低く見られたように感じてしまいます。けれども、上司の機嫌と、あなたの仕事の評価は別のものです。
評価が気になるときは、態度ではなく、任されている仕事の中身や、面談で伝えられることを見るようにしましょう。そこに問題がなければ、不機嫌はその日の上司の事情だと割り切ってかまいません。
職場の外に、気持ちを戻す時間をつくる
帰りの電車で好きな音楽を聴く、休日に職場と関係のない友人と会う、短い散歩をするなど、仕事のことを考えない時間を意識してつくりましょう。
家でも上司の顔が浮かんでしまうときは、紙に「今日あったこと」と「自分ではどうにもできないこと」を分けて書き出してみてください。頭の中で何度もくり返すより、気持ちが落ち着きやすくなります。

眠れない・食べられないときは、早めに相談を
上司のことを考えて眠れない日が続く、朝になると体が重くて職場に向かえない。そんな状態のときは、我慢を重ねないでください。医療機関や、会社の産業医・保健師などに早めに相談しましょう。
上司だけでなく同僚からも距離を感じるようになったときは、職場で避けられている気がするときの記事も参考にしてください。

シンパンくんから
上司の機嫌が悪いのは、あなたが悪い人だからじゃないよ。自分の仕事をきちんとしているなら、それで十分なんだ。
怒鳴る・人格を否定するのはハラスメントの可能性も
ここまでは、自分の工夫でできることを中心に紹介してきました。けれども、上司の不機嫌が次のような言動になっている場合は、あなたが工夫して耐えるべき問題ではありません。
- 大きな声で怒鳴る、机をたたく、物に当たる
- 「使えない」「向いてない」など、人格や能力を否定する言葉をぶつける
- 機嫌によって、自分だけ仕事を与えない・無視する
- ほかの人の前で、長い時間責め続ける
こうした言動は、パワハラ(立場を利用した嫌がらせ)にあたる可能性があります。言われた日時、場所、言葉、そばにいた人をメモに残しておきましょう。
そのうえで、会社の相談窓口や人事部、労働組合に相談してください。社内では話しにくい場合は、各都道府県の労働局などにある「総合労働相談コーナー」でも無料で話を聞いてもらえます。
上司の機嫌に振り回されて、ひとりで抱えているときは
ハラスメントとまではいかなくても、毎日のように上司の顔色をうかがうのは、とても疲れることです。職場の人には話しにくく、家族に話しても空気までは伝わらない、と感じる人も多いでしょう。
会社の外にいて利害のない相手になら、遠慮せずに打ち明けられることもあります。状況を言葉にするだけでも、何が自分を苦しくさせているのかが見えてくるものです。
よくある質問
上司の機嫌が悪い日は、話しかけないほうがいいですか?
急がない雑談や相談は、おだやかな時間を選ぶか、メモやチャットにまとめるとよいでしょう。ただし、トラブルや期限に関わる報告は、機嫌に関係なく早めに伝えてください。
「何かありましたか?」と上司に聞いてもいいですか?
親しい関係なら、気づかいとして一度声をかけるのはかまいません。ただ、何度も聞いたり、理由を聞き出そうとしたりするのは避けましょう。気になるのが自分の仕事のことなら、「進め方で直す点はありますか」と仕事の話として聞くのがおすすめです。
上司の不機嫌は、全部自分のせいだと思ってしまいます。
不安が強いときほど、そう感じやすいものです。ほかの人にも同じ態度か、いつから始まったかを紙に書き出して確かめてみてください。上司自身の事情が見えてくることもあります。
機嫌によって言うことが変わる上司には、どう対応すればいいですか?
指示を受けたら、その場で内容を短く復唱したり、チャットやメールで「〇〇の件、△△で進めます」と残したりしておくと安心です。あとで言われたことが変わっても、落ち着いて確認できます。
上司の機嫌が悪すぎて、職場に行くのがつらいです。
体や心に不調が出ているなら、無理を続けないでください。医療機関や会社の産業医に相談し、必要であれば人事に異動の相談をすることも大切な選択です。
まとめ
上司の機嫌が悪いと、職場にいるだけで気持ちが張りつめてしまいます。最後に、この記事のポイントをふり返っておきましょう。
- 上司の不機嫌は、上からの圧力・仕事量・体調・焦りなど、上司自身の事情から来ていることもある
- 部下への不満が混じるときは、特定の出来事のあとに、自分にだけ向くことが多い
- 自分のせいかどうかは「誰に向いているか」「いつからか」で見分ける
- 話しかけるときは、すき間の時間に「用件」と「かかる時間」を最初に伝える
- 悪い知らせは機嫌に関係なく、早く・短く・対応案を添えて伝える
- 怒鳴る・人格を否定する言動は、社内や公的な窓口に相談する
上司の機嫌は上司のもの、あなたの仕事はあなたのもの。そう線を引けるようになると、同じ職場でもずいぶん過ごしやすくなります。

シンパンくんから
明日はまず、上司がひと息ついた「すき間」を探してみよう。小さな工夫が、気持ちの余裕につながっていくよ。




