こんなことで、疲れていませんか?

  • 朝は「グラフ中心で」と言われたのに、夕方には「やっぱり表で」
  • 昨日の指示と今日の指示が、まるで別の話になっている
  • 「自分の聞き方が悪いのかな」と、つい考えてしまう
  • 「わざと振り回されているのでは」と疑いたくなる

上司の指示がころころ変わることが何度も続くと、仕事そのものより、気持ちのほうが先に疲れてしまいますよね。

結論

指示がころころ変わる上司が、部下を困らせたいとは限りません。上司自身も、状況の変化や考えの途中にいるのかもしれません。

振り回されないために変えられるのは、上司の性格ではなく、指示を受けるときの「確認」と「記録」のしかたです。

この記事でわかること

  • 上司の指示がころころ変わる、よくある本音
  • 仕方のない変更と、困った変更の見分け方
  • 指示が変わったときにやってはいけないこと
  • 振り回されないための確認のしかた(例文つき)
  • 言った・言わないを防ぐ記録の残し方
この記事の目次閉じる開く
  1. 上司の指示がころころ変わる本音
    1. 1. さらに上の人や取引先の考えが変わった
    2. 2. 話しながら考えをまとめている
    3. 3. 忙しくて、前に言ったことを覚えていない
    4. 4. 失敗したときの責任を負いたくない
    5. 5. もっといい案を思いつくたびに変えたくなる
    6. 6. 最初の指示の言葉があいまいだった
  2. 仕方のない変更と、困った変更の見分け方
    1. 自分にだけ指示が変わるのかを見る
    2. 変更が「上から」来ているかを見る
  3. 指示が変わったときにやってはいけないこと
  4. 振り回されないための確認のしかた(例文つき)
    1. 指示を受けたら「目的・期限・優先順位」を確かめる
    2. 完成させる前に、途中で一度見せる
    3. 指示が変わったら、変わる点を言葉にして返す
    4. 期限のない指示には、自分から仮の期限を置く
  5. 「言った・言わない」を防ぐ記録の残し方
    1. 口で受けた指示は、メッセージで短く送り返す
    2. 自分用のメモに「いつ・誰から・何を」を残す
    3. 記録は責めるためではなく、話を合わせるために使う
  6. 指示の変更に疲れてしまったときは
    1. 「変わるもの」と最初から考えておく
    2. 進め方について、一度上司と話してみる
    3. 体や心がつらいときは、ひとりで抱えない
  7. それでも上司の本音がわからないときは
  8. よくある質問
  9. まとめ

上司の指示がころころ変わる本音

指示が変わる理由は、上司の性格だけとは限りません。よくある本音を6つに分けて見ていきましょう。

上司
指示が変わる裏には、上司なりの事情があることも

1. さらに上の人や取引先の考えが変わった

上司にも、その上の上司がいます。部長のひと言や取引先からの要望で方針が変わり、上司はそれをそのまま部下に伝えている、というケースはよくあります。

上司本人も、内心では「また変わったのか」と困っていることがあります。それでも理由を細かく話さないのは、言い訳のように聞こえるのを避けたい、まだ話せない事情がある、といった気持ちからかもしれません。

2. 話しながら考えをまとめている

頭の中で考えが固まりきらないまま指示を出し、できあがったものを見てはじめて「こうじゃなかった」と気づくタイプの上司もいます。

このタイプは、形になったものを見ないと判断できないのが特徴です。最初の指示は「たたき台」のつもりで、変えることにあまり抵抗がありません。部下から見ると振り回されているように感じますが、本人に悪気はないのかもしれません。

3. 忙しくて、前に言ったことを覚えていない

いくつもの仕事を同時に抱えていると、誰にどんな指示を出したのか、上司自身が覚えていないことがあります。「そんなこと言ったっけ?」と言われて驚いた経験がある人もいるでしょう。

この場合、上司は指示を変えたつもりすらありません。その場で思いついた最善の答えを、毎回新しく言っているだけなのです。

4. 失敗したときの責任を負いたくない

はっきり「こうして」と決めると、うまくいかなかったときに自分の責任になります。それを避けたくて、指示をあいまいにしたり、結果を見てから「そういう意味じゃない」と言い直したりする上司もいます。

このタイプの場合、変更のたびに「最初からそう言ったはず」と話を変えるのが特徴です。あとで紹介する記録の残し方が、あなたを守る助けになります。

5. もっといい案を思いつくたびに変えたくなる

仕事へのこだわりが強く、よりよい形が浮かぶと、途中でも方向を変えずにいられない上司もいます。細部まで自分のイメージに近づけたい気持ちの表れです。

言葉づかいや資料の体裁まで細かく直される場合は、こだわりの強さが関係しているかもしれません。そうした上司とのほどよい付き合い方は、細かすぎる上司の本音で紹介しています。

6. 最初の指示の言葉があいまいだった

実は「指示が変わった」のではなく、最初から受け取り方がずれていた、ということもあります。「早めに」「いい感じに」「ざっくりでいい」のような言葉は、人によって思い浮かべる中身が違うからです。

「また変わった」と感じたときほど、最初の指示に、あいまいな言葉がなかったかを振り返ってみましょう。どちらが悪いという話ではなく、確認の工夫で防げるずれです。

あいまいな言葉を、その場で具体的にする聞き方

  • 「早めに」と言われたら →「今日中と明日の午前中なら、どちらがいいですか」
  • 「いい感じに」と言われたら →「前回の会議の資料と同じ形でいいですか」
  • 「ざっくりでいい」と言われたら →「1枚にまとめる程度でよろしいですか」

シンパンくんからあなたへ

指示が変わる理由は、上司の「上」にあることも多いんだ。上司も板挟みで困っているのかもしれないよ。

仕方のない変更と、困った変更の見分け方

指示が変わること自体は、どんな職場でも起こります。問題は、その変わり方です。次の表で、今の状況がどちらに近いか確かめてみましょう。

見るところ仕方のない変更困った変更
理由聞けば教えてくれるはぐらかされる
変わる範囲一部の手直し毎回ゼロから
相手チーム全体に同じ自分にだけ多い
うまくいかないとき上司が引き受ける部下のせいにされる
前の指示変えたと認める「言っていない」と言う

左の列に当てはまるなら、上司も状況に合わせて動いているだけの可能性が高いです。右の列が多い場合は、確認と記録の習慣を早めに身につけて、自分を守ることを考えましょう。

自分にだけ指示が変わるのかを見る

同じ上司のもとで働く同僚も、同じように指示の変更に困っているなら、それは上司の仕事の進め方のクセです。指示が変わるのは、あなたの力が足りないせいではありません。

反対に、自分にだけ変更が多い、ほかの人には最初から丁寧に説明しているように見える場合は、上司との関係にすれ違いがあるのかもしれません。指示の変更だけでなく、声のかけ方や返事の温度まで自分にだけ違うなら、上司が自分にだけ冷たい本音で理由を整理してみましょう。

変更が「上から」来ているかを見る

会議や上の人との打ち合わせのあとに、指示が変わることが多くないでしょうか。もしそうなら、変更の出どころは上司ではなく、さらに上の判断です。

このタイプの変更は、上司を責めても止まりません。変わる前提で動けるよう、作業の進め方を工夫するほうが、ずっと楽になります。

上司との今の関係を、いくつかの質問で整理してみたい人は、こちらの診断も試してみてください。

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指示が変わったときにやってはいけないこと

何度もやり直しになると、つい感情が顔や言葉に出てしまいます。けれど、次のような対応は、かえって自分の立場を苦しくしてしまいます。

指示が変わったときに避けたいこと

  • 「前と言っていることが違います」と、ほかの人の前で指摘する
  • 不満を顔に出したまま、黙って作業をやり直す
  • 「どうせまた変わる」と、指示を聞き流して後回しにする
  • 確認しないまま、自分の判断で前の指示どおりに進める
  • 同僚と上司の悪口を言い合って、気をまぎらわせる

特に、人前で指摘するのは逆効果です。正しいことを言っていても、上司は恥をかかされたと感じ、関係がこじれやすくなります。伝えるなら、二人のときに、責める形ではなく確認の形で話しましょう。

「どうせ変わる」と後回しにするのも危険です。今回は本当に急ぎの指示だった、ということもあるからです。変わるかもしれない指示ほど、早めに少しだけ形にして見せるのが安全です。

なお、次のような場合は話が別です。ハラスメントにあたる可能性があります。

  • 指示が変わったことを理由に、怒鳴られる
  • 自分のミスではないことで、人前で責められる
  • とても終わらない量の仕事を押し付けられる

そうしたときは、日付と言われた言葉をメモに残しておきましょう。メモを持って社内の相談窓口に行くか、外の公的な窓口として労働局の総合労働相談コーナーを頼ってください。

振り回されないための確認のしかた(例文つき)

ここからは、指示の変更に振り回されないための確認のしかたを、場面ごとに紹介します。ポイントは「最初」「途中」「変わったとき」の3つの場面と、期限があいまいな指示への返し方です。

伝え方を考える
確かめる言葉を少し工夫するだけで、ずれは減らせます

指示を受けたら「目的・期限・優先順位」を確かめる

指示を受けたその場で、次の3つを確かめておくと、あとからの変更がぐっと減ります。

  • 目的:何に使うのか、誰が見るのか
  • 期限:いつまでに、どの形で出せばいいか
  • 優先順位:ほかの作業とどちらを先にするか
指示を受けたときに確かめる
相手

例の資料、来週の会議用にまとめておいて

あなた

承知しました。火曜の会議で使う、売上の比較が中心の資料でよろしいですか

あなた

今の見積もり作業と重なりそうなので、どちらを先にするかも決めていただけると助かります

自分の理解を言葉にして返すと、上司は「そうそう」「いや、そうじゃなくて」と、その場で考えをはっきりさせられます。

完成させる前に、途中で一度見せる

話しながら考えるタイプの上司には、完成してから見せるのではなく、骨組みの段階で一度見てもらうのが効果的です。

途中で方向を確かめる
あなた

資料の構成だけ先に作ってみました

あなた

この方向で進めて大丈夫か、2〜3分だけ見ていただけますか

全体の3割くらいの段階で見せておけば、方向が変わってもやり直しは少なくてすみます。「完成品を見てから違うと言われる」つらさを、ぐっと小さくできます。

指示が変わったら、変わる点を言葉にして返す

指示が変わったときは、黙ってやり直すのではなく、何が変わって何が変わらないのかを、その場で言葉にして確認します。

変更を受けたときの返し方
相手

やっぱりグラフじゃなくて、表にしてくれる?

あなた

わかりました。表に変えて、ほかの部分はこのままでいいですか

あなた

作り直しになるので、提出は明日の朝でも大丈夫でしょうか

大きな変更のときは、期限やほかの仕事への影響もあわせて伝えましょう。指示の変更にかかる手間を、上司に見える形で伝えるのは、わがままではなく大切な報告です。

期限のない指示には、自分から仮の期限を置く

「手が空いたときでいいから」「急がないよ」と言われた仕事ほど、あとで「まだできてないの?」と急に言われがちです。上司の頭の中の期限が、途中で変わってしまうからです。

期限があいまいなときの返し方
相手

急ぎじゃないから、手が空いたときにお願い

あなた

わかりました。では金曜の午後に、一度途中のものをお見せしますね

こちらから仮の期限を伝えておくと、上司も「それなら木曜には欲しいな」と、本当の希望を口にしやすくなります。

「言った・言わない」を防ぐ記録の残し方

指示がころころ変わる上司との仕事では、記録がいちばんの味方になります。とはいえ、大げさな準備は必要ありません。

口で受けた指示は、メッセージで短く送り返す

立ち話や電話で受けた指示は、そのあとチャットやメールで、要点だけを短く送り返しておきましょう。

口で受けた指示を送り返すメッセージ
あなた

先ほどの資料の件、念のため整理してお送りします

あなた

表の形でまとめる/会議前日の夕方までに提出/Aさんの数字も入れる

あなた

もし違っているところがあれば、教えてください

上司にとっても、自分の指示を見直すきっかけになります。送っておくだけで、「そんなこと言ったっけ?」が起こりにくくなります。

自分用のメモに「いつ・誰から・何を」を残す

手帳やスマホのメモに、指示を受けた日、言われた内容、変更があった日とその中身を、一行ずつ書いておきます。仕事のノートの端に書くだけでも十分です。

言動を落ち着いて振り返る
指示の流れを書き残しておくと、あとから落ち着いて振り返れます

記録は責めるためではなく、話を合わせるために使う

記録は、上司を言い負かすための証拠ではありません。上司に「そんなことは言っていない」と言われても、メモを突きつけるのはやめておきましょう。「私の聞き違いかもしれないのですが、メモではこうなっていて」と、確認の形で見せるのがコツです。

そのうえで「では、今回はこちらで進めますね」と、今の指示に合わせて前に進むのが、いちばん角の立たない形です。

指示の変更に疲れてしまったときは

確認や記録を工夫しても、変更が続けば疲れるのは当然です。気持ちが擦り減らないための考え方も知っておきましょう。

「変わるもの」と最初から考えておく

この上司の指示は変わることがある、と最初から見込んでおくだけで、変わったときの落ち込みは小さくなります。最初から細部まで作り込まず、方向が決まってから仕上げる、という順番に変えるのもおすすめです。

進め方について、一度上司と話してみる

面談や一対一で話せる時間があれば、責めるのではなく、提案の形で進め方を相談してみましょう。

進め方を提案するなら
あなた

最近、途中で方向が変わることが何度かあったので、ご相談させてください

あなた

指示をいただくとき、最初に目的と期限だけ一緒に確かめさせてもらえると、早く仕上げられると思います

画面越しのやり取りが多い職場では、言葉が短くなるぶん、指示のずれも起こりやすくなります。オンラインでの伝わり方に悩んでいる人は、オンライン会議で上司の反応が読めないときも読んでみてください。

指示がぶれるうえに、その日の機嫌で言い方まで変わる上司なら、機嫌が悪い上司の本音に接し方のヒントをまとめています。

体や心がつらいときは、ひとりで抱えない

出勤前になると体調が悪くなる、夜に眠れない日が続くといったときは、がまんを続けないでください。会社の産業医や保健師、医療機関など、体と心の専門家に早めに相談しましょう。

シンパンくんからあなたへ

何度もやり直しになると、悪いのは自分だって思っちゃうよね。でも、確認しながら進めているあなたは、ちゃんと仕事ができているよ。

それでも上司の本音がわからないときは

確認しても記録しても、上司が何を考えているのかわからない。毎日の小さなやり直しで、仕事への自信が少しずつ削られている。そう感じるなら、会社と無関係な人に今の状況を言葉にして話すだけでも、頭の中が片づいて楽になることがあります。

よくある質問

指示が変わるたびにやり直すのが大変です。断ってもいいですか?

やり直し自体を断るのは難しいことが多いですが、期限やほかの仕事への影響を伝えて、優先順位を一緒に決めてもらうことはできます。「どれを後回しにしてもいいですか」と聞くのがおすすめです。

「前と言っていることが違います」と、はっきり伝えてもいいですか?

責める言い方より、「前回は〜と伺っていたので、今回は〜に変更ということでよろしいですか」と、確認の形にすると角が立ちません。伝えるなら、二人のときにしましょう。

上司に「そんなことは言っていない」と言われます。どうすればいいですか?

口で受けた指示は、その日のうちにメッセージで要点を送り返しておきましょう。言い合いになったときも、記録を突きつけず、今の指示に合わせて進めるのが近道です。

自分にだけ指示が変わるのは、信用されていないからですか?

期待しているからこそ細かく口を出す上司もいれば、あなたとのやり取りのずれが原因のこともあります。まずは確認のしかたを変えてみて、それでも続くなら一度面談の場で相談してみましょう。

上司のさらに上の人に相談してもいいですか?

仕事に大きな支障が出ている場合は、相談してかまいません。ただ、上司を飛び越えると関係がこじれやすいので、まずは上司本人と進め方を話し合ってからにするのがおすすめです。

まとめ

指示がころころ変わると、やり直しの手間以上に、気持ちのほうが疲れてしまいます。最後に、この記事のポイントを振り返りましょう。

  • 指示が変わる背景には、上からの方針の変更、考えながら話すクセ、忙しさなど、上司側の事情があることもある
  • 理由を話してくれるか、自分にだけ多いかで、仕方のない変更か困った変更かを見分ける
  • 指示を受けたら、目的・期限・優先順位をその場で確かめる
  • 完成させる前に途中で見せ、変わったときは変わる点を言葉にして返す
  • 口で受けた指示はメッセージで送り返し、記録は責めるためでなく話を合わせるために使う

上司の指示に振り回されて悩むのは、それだけ仕事をきちんと仕上げたいと思っているからです。上司を変えようとするより、自分の確かめ方を少し変えるほうが、毎日はずっと楽になります。明日の指示から、ひとつだけ試してみてくださいね。