
やりきれない思いを、抱えていませんか?
- 言い合いの翌朝、夫は何もなかったような顔をしている
- 「コーヒーある?」と、いつもどおりに話しかけてくる
- 昨日のことには一言も触れないまま、一日が始まる
- 非ははっきりしているのに、夫の口から「ごめん」が出ない
夫が謝らないままだと、怒りを通りこして、むなしさを感じてしまいますよね。謝ってほしいのは、勝ち負けをつけたいからではなく、傷ついた気持ちをわかってほしいからではないでしょうか。
結論
謝らない夫が、悪いと思っていないとは限りません。プライドや負けたくない気持ち、「謝ったら、ずっと責められる」という不安が、言葉をせき止めていることもあります。
夫婦喧嘩を終わらせるには、「ごめん」の一言を引き出すことより、「次に同じことが起きたらどうするか」をふたりで決めることが近道になります。
この記事でわかること
- 夫が「ごめん」と言えない本音
- 言葉のかわりに出る「謝っているつもり」のサイン
- 謝罪を求め続けるより効く「次どうするか」の話し合い方と例文
- 夫が謝りやすくなる、ふだんの関わり方
この記事の目次閉じる開く
夫が謝らないのはなぜ?「ごめん」が言えない本音
「旦那が謝らない心理がわからない」と感じるとき、夫の中では次のような気持ちが動いているのかもしれません。複数の気持ちが絡み合って、言葉が出なくなっている場合もあります。
1. プライドが邪魔をして、非を認めにくい
自分の間違いを認めることを、「格好悪い」「情けない」と感じる人がいます。家族の前ではしっかりした自分でいたい、と思っている人ほど、謝ることに強い抵抗を感じがちです。
頭では「言いすぎた」とわかっていても、口に出そうとすると、のどの奥で言葉が止まってしまう。夫自身も、そんな自分にもどかしさを感じていることがあります。
喧嘩のあとに夫が妙に口数が少なかったり、あなたの様子をちらちら気にしていたりするなら、言いたいのに言えない状態なのかもしれません。
2. 喧嘩を「勝ち負け」で考えてしまう
話し合いを「どちらが正しいかを決める場」と考えていると、謝ることは「負けを認めること」になってしまいます。
たとえば、家計の使い方で意見がぶつかったとき、夫は「自分の考えにも理由がある」と思っているかもしれません。一部でも謝ると、主張をすべて取り下げることになる、と感じてしまうのです。
このタイプの夫は、喧嘩がこじれるほど引っこみがつかなくなります。言い合いの最中に声が大きくなりがちなら、すぐ怒る夫の本音も参考にしてください。
3. 謝ったら、ずっと責められると思っている
以前、夫が謝ったときに「本当に悪いと思ってるの?」「前もそうだったよね」と話が広がったことはないでしょうか。そうした経験があると、夫は「謝ると、かえって長引く」と学んでしまいます。
謝らないのは、反省していないからではなく、謝ったあとの展開を恐れているから、ということもあるのです。
もちろん、あなたが悪いわけではありません。傷ついた気持ちが大きければ、話が広がるのは自然なことです。ただ、夫の側ではそれが「謝ると損をする」という思いこみにつながっている場合があります。
4. 態度で謝っているつもりでいる
言葉にするのは苦手でも、行動で「悪かった」を伝えようとする人もいます。夫にとっては、それが精いっぱいの謝罪なのかもしれません。
夫の中には、「もう普通に話しかけているんだから、それで伝わるだろう」という思いがあるのかもしれません。
けれども、言葉を待っているあなたからすると、何事もなかったようにふるまわれるのは、「なかったことにされた」と感じるものです。ここに、夫婦のすれ違いが生まれます。
5. 謝り方そのものがわからない
子どものころ、家族が謝り合う姿をあまり見てこなかった人は、大人になってからも「どう謝ればいいのか」がわからないことがあります。
「ごめん」の一言をいつ、どんな顔で言えばいいのか見当がつかず、タイミングを逃しているうちに、ますます言い出しにくくなっていくのです。
このタイプの夫には、「『さっきはごめん』の一言だけでいいんだよ」と、求めていることを具体的に伝えると、ハードルがぐっと下がります。


シンパンくんから
「謝らない」と「謝れない」は、少し違うんだ。夫がどちらに近いかで、向き合い方も変わってくるよ。
言葉のかわりに出る「謝っているつもり」のサイン
夫が口では謝らなくても、態度で歩み寄ろうとしていることがあります。喧嘩のあとに、次のような行動がないかふり返ってみてください。
夫なりの「ごめん」かもしれない行動
- いつもより早く帰ってくる
- あなたの好きなお菓子や飲み物を買ってくる
- ふだんはしない家事を、黙ってやっている
- 「そういえば」と、どうでもいい話をふってくる
- 子どもを連れて出かけ、ひとりの時間をつくってくれる
こうした行動が見られるなら、夫は「悪かった」と感じている可能性があります。ただし、態度での歩み寄りを受け取ることは、すべてを許すことと同じではありません。気持ちの整理がつかないときは、無理に受け取らなくても大丈夫です。
受け取れそうなときは、「お菓子ありがとう。昨日のことは、あとで少し話そうね」のように、歩み寄りに気づいていることと、話し合いたい気持ちの両方を伝えてみましょう。
謝れない夫と、謝る気がない夫の違い
「謝れない」夫と「謝る気がない」夫では、喧嘩のあとの様子が違います。
| 見るところ | 謝れない夫 | 謝る気がない夫 |
|---|---|---|
| 喧嘩のあと | 気まずそうにする | 平然としている |
| 歩み寄り | 態度で示そうとする | 何もしない |
| 同じことが起きたら | 少し気をつける | くり返す |
| あなたの気持ち | 話せば聞く | 聞こうとしない |
謝れない夫なら、伝え方を工夫することで話し合いが進む可能性があります。一方、謝る気がない夫の場合は、謝罪の言葉より先に、あなたの気持ちを聞いてもらう場をつくることが必要です。夫が話を聞こうとしない理由は、話を聞かない夫の本音で紹介しています。
同じことを何度もくり返し、あなたの気持ちを聞こうともしない。そんな状態が長く続くなら、喧嘩の仲直りだけでなく、夫婦の関わり方そのものを見直す時期なのかもしれません。
喧嘩のたびに怖い思いをしているときは
怒鳴る、物に当たる、脅すといったことが喧嘩のたびに起きて、怖いと感じているなら、謝る・謝らないの問題ではありません。その場合は、DV相談ナビ(#8008)や住んでいる市区町村の窓口など、公的な相談先を頼ってください。
謝れない夫の心の中を、ふだんの様子から考えてみたいときは、診断も手がかりになります。
謝ってほしいときに、やってはいけないこと
謝ってほしいと思うのは、もっともな気持ちです。ただ、求め方によっては、かえって夫を意地にさせてしまいます。
喧嘩をこじらせやすい対応
- 謝るまで口をきかない、と決めて張り合う
- 過去の喧嘩や失敗を、まとめて持ち出す
- 「謝って」と何度もくり返し迫る
- 子どもや親の前で、謝らせようとする
- 謝られたあとに「心がこもっていない」と突き返す
謝罪の言葉だけをゴールにしない
謝罪の言葉をもらうことがゴールになると、夫が謝るまで、喧嘩はいつまでも終わりません。そして、無理に引き出した「ごめん」には、気持ちがこもっていないこともあります。
あなたが本当にほしいのは、同じことで、もう傷つかずにすむことではないでしょうか。だとしたら、謝罪の言葉よりも、これからの行動を約束してもらうほうが、あなたの気持ちを守ることにつながります。
喧嘩のたびに、昔の話まで持ち出す
腹が立っているときほど、以前の喧嘩や、ずっと我慢してきたことまで口にしたくなるものです。けれども、話が広がるほど、夫は「何を謝ればいいのかわからない」と感じ、かえって口を閉ざしてしまいます。
話したいことが山ほどあっても、その日に取り上げるのは、いちばん引っかかっている一件だけにしましょう。ほかのことは、別の日に改めて話せば大丈夫です。
喧嘩のたびに夫が黙り込んでしまい、話にならないときは、喧嘩すると無視する夫の本音も参考になります。
人前で謝らせようとする
親や子どもの前で謝罪を求めると、夫はプライドを守ることで頭がいっぱいになり、心からの謝罪から遠ざかってしまいます。謝ってほしいことは、ふたりきりのときに伝えましょう。
「ごめん」より大切な「次どうするか」の話し合い
喧嘩を終わらせるいちばんの方法は、起きたことを責め合うのではなく、次に同じことが起きたときにどうするかを決めることです。
喧嘩の翌日以降、落ち着いてから切り出す
言い合いの直後は、お互いに気持ちが高ぶっています。話すのは、少なくとも一晩おいて、ふたりとも落ち着いてからにしましょう。
休日の午前中や、子どもが出かけている時間など、急がずに話せる時間を選ぶのがおすすめです。切り出す前に、自分がいちばん伝えたいことを一行でメモしておくと、話がそれにくくなります。
責める話ではなく、決める話にする
「なんであんなこと言ったの?」と始めると、夫は身構えて言い訳を探しはじめます。「次はどうしようか」と、これからの話として切り出すと、夫も話に入りやすくなります。
昨日のこと、もう責めるつもりはないんだけど、一つだけ話したいの。
うん。
次に同じことになったら、どうしたらいいと思う?
私は、言い合いになりそうになったら、いったん休憩したいな。
この例のように、あなたの希望も具体的に出すと、夫も「じゃあ、自分は〜する」と答えやすくなります。夫から案が出てきたら、内容が小さくても、まずは受け止めましょう。
じゃあ、帰りが遅くなるときは、先に連絡する。
ありがとう。それなら、私も安心して待てるよ。
「ごめん」のかわりの合言葉を決めておく
どうしても「ごめん」が言いにくい夫なら、仲直りの合図になる言葉を、ふたりで決めておくのも一つの方法です。たとえば、「さっきは言いすぎた」「お茶いれようか」など、夫が口にしやすい言葉でかまいません。
合言葉があると、夫は負けを認めるような気まずさを感じずに歩み寄れます。あなたにとっても、「今、謝ろうとしてくれている」とわかるので、受け取りやすくなります。

決めたことは、短く書いて残す
話し合って決めたことは、冷蔵庫に貼るメモや、スマホのメモに、短く書き残しておきましょう。「言った・言わない」の言い合いを防げます。
- 言い合いになりそうなら、どちらかが「休憩」と言う
- 帰りが遅くなる日は、夕方までに連絡する
- 話の続きは、次の日の夜にする
約束を書き残すことは、それ自体が夫からの「ごめん」のかわりになることもあります。何度か約束が守られるうちに、謝罪の言葉がなくても、あなたの気持ちは少しずつ落ち着いていくはずです。
夫が謝りやすくなる、ふだんの関わり方
謝ることへの抵抗をやわらげるには、喧嘩のときだけでなく、ふだんの関わり方も大切です。
謝ってくれたら、蒸し返さずに受け取る
夫がぎこちなくでも「ごめん」と口にしたら、その一言をまずそのまま受け取ってください。「謝ってくれてうれしい」と返すだけで十分です。そこで不満を重ねると、夫は「やっぱり謝ると損をする」と感じてしまいます。
謝ったら話が終わる、という経験を重ねることが、次の「ごめん」を言いやすくします。
あなたに言いすぎた部分があれば、先に小さく謝る
喧嘩の中で、あなたにも言いすぎた部分があったなら、その部分だけ先に謝ってみるのも一つの方法です。「さっきは言い方がきつかった、ごめんね」と伝えると、夫も自分の非を認めやすくなります。
ただし、あなたに非がないのに、関係を保つために毎回先に謝る必要はありません。それが当たり前になると、あなたばかりが折れる関係ができあがってしまいます。
小さな「ごめんね」が行き交う空気をつくる
「待たせてごめんね」「さっきは聞いてなかった、ごめん」。日常の小さな場面で謝る言葉が自然に出ている家では、大きな喧嘩のときにも「ごめん」が言いやすくなります。
夫が小さなことでも謝ってくれたら、「ありがとう」と返してみてください。夫の機嫌が悪く、話し合いのきっかけがつかめないときは、夫が不機嫌な理由と上手な接し方も読んでみてください。
それでも喧嘩が終わらないときは
話し合いを重ねても、同じ喧嘩をくり返してしまう夫婦もいます。謝ってもらえない悲しさをひとりで抱えていると、心が疲れてしまいます。

謝ってもらえない悲しさとの付き合い方
謝罪を待つあいだ、あなたの気持ちが置き去りになっていませんか。悲しかったこと、悔しかったことをノートに書き出すと、頭の中で同じ場面を何度も思い返すことが減っていきます。
また、「許すかどうか」と「夫婦としてやっていくかどうか」は、分けて考えてかまいません。許せない気持ちが残っていても、約束を守ってもらいながら、少しずつ気持ちを落ち着けていく道もあります。
第三者に話してみる
謝ってくれない夫の話は、愚痴のようになってしまいそうで、友人にも打ち明けにくいものです。利害のない相手に話してみると、喧嘩のどこで自分がいちばん傷ついたのかが見えてきて、夫に何を求めたいのかもはっきりしてきます。
よくある質問
夫が一度も謝ったことがありません。愛情がないのでしょうか?
謝らないことと、愛情がないことは同じではありません。謝ることを「負け」と感じていたり、言葉にするのが極端に苦手だったりする人もいます。態度で歩み寄ろうとしているかどうかも、あわせて見てみましょう。
謝らないまま、なかったことにされるのがつらいです。
「なかったことにされると悲しい」と、あなたの気持ちを伝えてみてください。そのうえで「次はどうするか」を一緒に決められれば、喧嘩をうやむやにせずに終わらせることができます。
いつも私が先に謝っています。このままでいいのでしょうか?
自分に非がある部分を謝るのはよいことですが、毎回あなただけが謝る関係は、続けるほど苦しくなります。落ち着いているときに、「お互いに言いすぎたら謝ろうね」とルールにしてみるのも一つの方法です。
謝ってくれたのに、許せない気持ちが残っています。
謝られたからといって、すぐに気持ちが切り替わるとは限りません。何が許せないのかを自分の中で整理し、「同じことはしないでほしい」という約束を夫と確かめることで、少しずつ落ち着いていくこともあります。
子どもにも謝らない夫が気になります。
子どもは、親が謝る姿を見て謝り方を覚えていきます。まずはあなたが子どもに「さっきはごめんね」と伝える姿を見せ、そのうえで落ち着いた日に、「子どもにも一言あるといいね」と夫に話してみましょう。
まとめ
謝ってもらえないと、自分の気持ちが置き去りにされたようで、悲しくなりますよね。この記事のポイントをふり返っておきましょう。
- 夫が謝らない背景には、プライド、勝ち負けの考え方、謝ったら責められ続けるという不安がある
- 態度で謝っているつもりの夫もいるが、受け取るかどうかはあなたが決めてよい
- 謝罪の言葉だけをゴールにすると、喧嘩はいつまでも終わらない
- 「次に同じことが起きたらどうするか」を、責めずに一緒に決める
- 謝ってくれたら蒸し返さずに受け取ると、次の「ごめん」が出やすくなる
喧嘩を終わらせる鍵は、言葉より「これから」にあります。ふたりで決めた小さな約束が、何度もの「ごめん」より関係を支えてくれるはずです。

シンパンくんから
謝ってもらえない悲しさを抱えながら、ここまで考えてきたあなたはえらいよ。次の話し合いは、「これから」の話から始めてみよう。




